sweet time【文スト】【新旧双黒】

太宰治×電車 ページ20

満員電車。


治とのデートの帰り、丁度帰宅ラッシュの時間帯で、今はぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られている。






「A、大丈夫？しんどくない？」


「うん、大丈夫」



私が電車のドアにもたれ掛かり、
その前に治が覆いかぶさるようにして乗っている。

つまりは…その…アレだ。


壁ドンとかいうやつの状態だ。



「治こそ、大丈夫？」


「大丈夫だよ、君が他の人に触れられるよりマシ」




いや別に満員電車なんだから触れるも何も密着してしまうでしょうが。なんつーとこで嫉妬心発揮してるんだコイツ。←

しかも周りの人の目が地味に冷たいぞ。




すると突然彼は私にキスをしようと顔を近づけてきたので咄嗟に持っていたカバンで口元を隠した。



何しようとしてんだコイツ。←



治はあからさまに不満そうな顔をして、


「んー…Aがこんなに近くにいるのにちゅーできない…」


「…そりゃこんな所でしちゃダメです」


「じゃあ帰ったらいっぱいしてくれる？」


「うん」


「ほっぺにもだよ？おでこにも。」


「うん」


「私のお膝の上に乗ってね？」


「…うん」







いやもうさっきより相当周りの人の目が冷たい！！








「ねーぇ、我慢出来ないからほっぺだけして？」



「…っは？」



「おーねがい、そしたら今は大人しくするから」






ん、と彼は自分の右頬を私に寄せる。



仕方ない、大人しくしてもらう為だ。





ちゅ、と軽くキスをしてやった。

すると、ふふん、と嬉しそうに微笑んで、




私にキスをした。



キスを、した。



そう、


おでこでも、ほっぺでもなく。





………唇に。








「んっ、ちょ、と治！！！」


「ごめん…我慢出来なくなっちゃった」





もう周りの人の目が冷たいとかのレベルじゃない。







「何してるのよほんと…」


「ごめんなさぁい…」





治はそう言って、少し、しゅん、とした。





「ねぇ、A、ごめんなさいのちゅーも
ちゃんと家に帰ったらするから、許して？」







…全然反省になってないけどね？



「っ、たく、もう…///」


「えへへA、大好きだよ♡」


「はいはい」




結局許してしまう私も私だなぁ。

こんな風にお願いされたらついつい許してしまう。









すると不意に、彼の口元が私の耳元に寄せられる。








"謝ったら、もっと激しいの、させてね"









貴方のおねだりに私が断れないって、

知ってるくせに。

感謝…！！！！→←中原中也×タイツ

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