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(灰谷)
「脾門部に仮性動脈瘤が見つかりました。
これが破裂して出血しているんだと思います」
『こっちはいま
動脈塞栓術でいけるはずだ、放射線科にコンサルしろ』
「連絡しました。
アンギオ室が空くまで1時間以上かかるそうです」
藍沢先生に電話を繋ぎ、状況を説明する。
『輸血して待て。
こっちを京と血管外科に引き渡したらすぐ行く』
「分かりました。
…とにかく待つしかない」
一旦通話を終えて皆にそう伝えたとき、もう一度アラームが鳴り響き、143まで上昇していた心拍数は数単位、血圧はさらに落ちた。
「血圧73、ショックです」
「再破裂…！」
「まずいな…急速輸液してください」
エコーで腹部を横から見れば、やはりそこは先程より出血が増加していた。
「もって10分だぞ」
名取先生の言葉に、焦りがひどくなる。
────このまま何も出来ずに待っていたら、この子は死ぬ…！
素早くスマホを手に取り、スピーカーにしたまま藍沢先生に指示を仰いだ。
「藍沢先生、慎一くん再破裂してショック状態です、誰か来てもらえませんか！」
『…京』
『灰谷先生言うたか、どんなに急いでもあと15分はかかる。
そっちで何とかでけへんか！』
威勢のいい、厳しい声音の関西弁にぴしゃりとそう返されて、皆言葉を失う。
そのとき、ICUにいた1人の看護師が、すみませんと遠慮がちに会話に入ってきた。
「あの…一番奥のベッドの香坂さんから、これを渡してくれとジェスチャーで…」
「えっ」
「は？」
「どういう…ことですか？」
名取先生と声が重なって、冴島さんがその小さな紙切れを受け取る。
「震える手でなんとか書き切ったあとに、また意識が落ちてしまったんですが…」
人工呼吸器をつけたあの状態で、声を出すことは不可能だ。
冴島さんの手の中にある紙を、ゆっくりと見せてくれた。
そこには、なんとか読める程度の、細い字で、つたなく、こう書かれていた。
────“balloon”
その紙を見た横峯さんが、はっとして顔を上げる。
「…レボア入れるのはどうかな」
彼女の言葉に、皆が驚いてそちらを見る。
「子どもに？
まだ12歳だよ」
「一番細いカテならいけない？
…多分、香坂先生のballoonってそういう意味だよ」
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リラン(プロフ) - 前にも読み終わったんですけど、また読みたくなって読んじゃいました笑ところどころ私の好きな小説と似たようなセリフでてきていて、感動っていうかすごく心に響くめんがありました！改めていい作品です！ (2022年7月22日 8時) (
レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
クリスティ38(プロフ) - もはや、オリジナルすぎてコードブルー←ではないと思いますが。一個人の感想ですので……夢主以外にオリキャラだした時点で、オリジナル多すぎな時点でもう脱線というか、名前使った別物に感じました。私が、オリジナルやオリキャラ出すの認めてない人なので…… (2019年9月23日 18時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
Mitsuki - 最近更新されていないようですが、大丈夫ですか？更新されるのを楽しみにしています。 (2017年11月10日 15時) (レス) id: 45294f18cf (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネ - なんなんですか！明日学校なのに泣きすぎて目が腫れてしまうじゃないですか！と怒りたくなるくらい面白かったです。これも、何度目かのコメントですが、何回もコメントしたくなるほど面白いです！更新頑張ってくださいね。 (2017年9月19日 1時) (レス) id: c2c72ce877 (このIDを非表示/違反報告)
Kazsaaaan(プロフ) - 初めまして！ずっと1話から読ませていただいておりまして、今回８話のお話が涙なしでは読めなかったので気持ちを我慢できず感想を書きに来ました！もう！大好きです！過去のお話含め、切なさありキュンあり、ハラハラドキドキな毎話。更新楽しみにしています！ (2017年9月11日 23時) (レス) id: 5f115adcd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月5日 0時
