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(白石)
スタッフステーションで書類の処理をしようにも、Aのことが頭から離れず、まともに内容が入ってこない。
────ほんと…最後の最後まで医者でいた。
狭心痛は、度合いにもよるが数分はまともに身体を動かせないほどの痛みが心臓を襲う。
京先生によればAは、動かない身体に鞭打って、最後の力で少女を助けたのだという。
そのとき少女に重ねられたのは、おそらく11年前の彼女自身。
初療室に運ばれた際はまだ意識のあった、出血で冷たくなった手の感覚を、忘れることは無い。
────大丈夫…だって、この病院で特に腕のいい先生達が、総出で手術に当たってるんだから。
最悪の事態など、起きるはずがない。
気持ちを切り替えようと、堀内さんの血液管理にあたっている藤川先生とフェロー達の様子を見に行こうと、階段を上がった。
「どう、問題なさそう？」
「おー、もう詰めるとこだよ」
名取先生と横峯先生は、もはや突っ立っているだけと言っても過言ではない。
「……香坂、先生は…」
名取先生が、かすれた声で私の方を見る。
「…さっき手術が始まったところよ。
私達は、急患に備えましょう」
それきり重くなってしまった部屋の空気の抜け道かのように開かれたドアの向こうには、緋山先生が立っていた。
「藤川、これも出しといて」
そう言って彼女が差し出したのは、真っ赤な血液のサンプル。
「誰のサンプルだよ」
「あたしの。
ラインとるとき、針が指に刺さった」
名取先生が、ぱっと顔をあげる。
「おう…分かった」
「ね、Aと京まだ帰ってこないの？
なんかオペ室のほう慌ただしかったけど…」
そう、緋山先生はAが運ばれてきたとき、初療室にはいなかったから、彼女の容態を知らない。
無線連絡は、交通事故に遭った20代女性が、頭部外傷と呼吸困難で運ばれたことしか告げていないのだ。
「………さっき、成田空港から運ばれてきた20代女性。
────あれ、Aなの」
「……────は…、なにそれ…。
じゃあ、跳ねられたのって…いまオペ室にいるのって…Aなわけ!?」
「…そうよ」
愕然としていた緋山先生は、はぁっと一度大きなため息を吐き出して前髪をかきあげた。
「失礼します」
ドアの開く音ともに入ってきた雪村さんは、とんでもないことを口にした。
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リラン(プロフ) - 前にも読み終わったんですけど、また読みたくなって読んじゃいました笑ところどころ私の好きな小説と似たようなセリフでてきていて、感動っていうかすごく心に響くめんがありました！改めていい作品です！ (2022年7月22日 8時) (
レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
クリスティ38(プロフ) - もはや、オリジナルすぎてコードブルー←ではないと思いますが。一個人の感想ですので……夢主以外にオリキャラだした時点で、オリジナル多すぎな時点でもう脱線というか、名前使った別物に感じました。私が、オリジナルやオリキャラ出すの認めてない人なので…… (2019年9月23日 18時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
Mitsuki - 最近更新されていないようですが、大丈夫ですか？更新されるのを楽しみにしています。 (2017年11月10日 15時) (レス) id: 45294f18cf (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネ - なんなんですか！明日学校なのに泣きすぎて目が腫れてしまうじゃないですか！と怒りたくなるくらい面白かったです。これも、何度目かのコメントですが、何回もコメントしたくなるほど面白いです！更新頑張ってくださいね。 (2017年9月19日 1時) (レス) id: c2c72ce877 (このIDを非表示/違反報告)
Kazsaaaan(プロフ) - 初めまして！ずっと1話から読ませていただいておりまして、今回８話のお話が涙なしでは読めなかったので気持ちを我慢できず感想を書きに来ました！もう！大好きです！過去のお話含め、切なさありキュンあり、ハラハラドキドキな毎話。更新楽しみにしています！ (2017年9月11日 23時) (レス) id: 5f115adcd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月5日 0時
