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その言葉に、それまで照れくさそうに笑っていた香坂がぴしりと固まった。
────…大丈夫か？
俺の心配をよそに、無事復活したらしい彼女は、雪村に向かって小さく笑ってみせた。
「…私はね…、両親が医者だったの。
ふたりに憧れて、沢山の人の命を救いたいって思ったから、かな」
はにかみながらそう言えば、横峯と雪村はまたもや感嘆の声を上げる。
その目は完全に、憧れの先輩を見る目だ。
「へぇ…！
やっぱり先生はひと味違いますね！」
「ですね」
「や、そんなことないって」
そう言いながらチョコレートをひとつまみ。
にしてもここ菓子多いな…。
「あ、ねぇ耕作見てない？」
「藍沢？
来てねぇけど…半病人状態のお前ほったらかしってのも珍しくねぇ？」
おかきを頬張りながらそう答えてやれば、香坂は分かりやすいほど反応を示した。
「や…、う、ん。
……聞いた人が間違いだった…」
重い足取りにも関わらず、髪の隙間から覗く耳は熟れた桃のように赤く染まっていた。
香坂が立ち去ったのを確認して、俺達はずいっと顔を突き合わせる。
「見たか、あれでアラサーだぞ」
「もう藍沢先生早くゴールしちゃえばいいのにって感じですよね」
「お互い奥手だから…焦れったいですよね」
ひとつ、思ったことがある。
────俺、案外恋バナいけるじゃん？
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(藍沢)
「────トロント大の件、辞退します」
「どうした急に、香坂に続いてお前まで。
…まさか、これのせいじゃないだろうな」
そう言って西条先生が俺に向けて差し出したのは雑誌の一面────天野さんの、記事だった。
“奪われた才能
天才ピアニスト 天野奏
脳腫瘍切除手術後、指が動かず”
────あいつが見たら、どう思うだろうな。
「…特に理由はありません。
すいません、では」
「おぉい藍沢、ちょっと待て！」
西条先生の静止も聞かずに部長室を出た俺は、初療室へ戻るためエレベーターに乗る。
そこには、あまり事情を突っ込んで欲しくない彼女がいた。
「Aに聞いても逃げられるから…。
8月7日の夜、何があったの？」
「…何だ急に」
白石だ。
Aが言いたがらないのも納得がいく。
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
