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ゆっくりと舞い降りてくるヘリを中心に、風が巻き起こる。
ともすれば煽られそうになる強風にスクラブがはためく中、ヘリはその翼を止めた。
4人それぞれが、それぞれの思いを胸に、降り立ったヘリを見つめている。
「ストレッチャーお願いします────」
凛とした声がひとつ、響いて消えた。
ドアが開いた途端、軽い動作でヘリポートへ降り立った人物へと、意識が持っていかれる。
俺たちと同じ、青のスクラブの下に黒のインナーを着た小柄な女性。
彼女は素早くもうひとりのフライトドクター、そして点滴のパックを持った、若いフライトナースとともにストレッチャーの傍らに寄り添う。
と、そこで俺たちの視線に気がついたのか、ふと目線をこちらに向けた。
決して鋭くはない、しかし患者が目の前にいるというこの状況から、穏やかでもない視線がぶつかり合う。
「……────…」
ただ印象に残るのは、自分たちを射抜くように爛々と輝く、意思の強い薄茶の瞳────。
結べる長さを残して後ろでひとつにまとめられた、瞳と同じ色合いを持つ髪は、結びきれずに頬にかかるおくれ毛が、動くたびに揺れていた。
「……あの子が…」
「くーっ、来ましたぁ！」
俺の前にいた白石がそう呟くのに被せられた藤川の声に、彼女もまた、はっとしたように駆け出した。
俺もそれに続く。
────彼女が、最後のフェローか。
「着きましたよ、病院ですよ」
「わかります？ここ病院！」
森本先生とともに、いち早くストレッチャーに駆け寄った緋山と藤川、さらに患者がよく見える頭部に、俺と白石が並ぶ。
指導医と思われる険しい顔つきの男の横で頭を支えていた女性が、驚いたように俺たちを見た。
そして、小さく一言。
「…おっきい…」
「初対面の感想がそれか」
その言葉に小さく笑って反応した森本先生に、彼女は「ごめんなさい、患者に集中します」と頭を下げた。
そのすぐ隣では、指導医の男がただ何も言わず、ぐるりと俺たちを見回すだけだった。
沈黙のまま、ストレッチャーは初療室へと運ばれていく。
「……出血、思ったよりひどいですね」
「あぁ…オペの可能性も頭に入れとけ」
「はい」
風で髪がなびく。
────薄茶の、髪が。
脳内を、もう霞んでしまったひとつの面差しが、走馬灯のように駆け抜けていく。
そう、あれは────────。
“あなたも、医者になるの？”
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ほち(プロフ) - 続きとても気になります……！更新待ってます…！ (2月14日 9時) (
レス) id: 9d8af713d5 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月18日 10時) (レス) id: 572aeb701d (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年8月24日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
音夢(プロフ) - 続きが…気になります！！ (2019年6月21日 2時) (レス) id: 11609052e1 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - シリーズとても面白くて、1日で読み終えてしまいました！この小説でのコードブルーがとても好きになりました！ちなみに、劇場版は書かれたりするんでしょうか？お忙しいと思いますが、作成されたら飛んで読みに来ます！頑張ってください！ (2018年8月1日 18時) (レス) id: 132fe7823f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2018年4月4日 15時
