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「………あの。
私が、こんなこと言うのもどうかと思いますけど…両角さんは、最後まで貴方達のエースだったと、思います」
ふわり、身体が自然に動いて、豊田さんの前に目線を合わせるようにして片膝をつく。
「────だって、同じエースの顔、してましたから。
尖り続けていた強さの裏に、仲間を思うことの優しさを持つ、エースの顔」
「…っ、そんなに泣きながら言われても、説得力ないっての…」
「人のこと、言えませんよ？」
いくぶんか和らいだ日差しが、ブラインドの隙間から差し込んでくる。
そっと重ねた豊田さんの手は、大きくて、ごつごつしていて────とても、あたたかかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(藍沢)
ヘリポートには、先客がいた。
まっすぐな薄茶の髪を下ろし、夕暮れどきの風になびかせる姿は、数ヶ月前、病気のことを聞こうとバーから外に出た、あのときを連想させる。
その背中まで泣いてるように見えて、声をかけることをためらう。
「……大丈夫ですよ」
まるで俺達がそこにいるのを分かっていたかのように振り返ったAは、無理に口角を吊り上げた。
────そうやって無理に笑うのは、記憶を失くす前と変わらないな。
「…ねぇ、藍沢先生」
話題を切り替えるためか、白石が俺に語りかけてくる。
「奏さんのことで責任を感じるのは分かる。
…でもそれで、トロントに行かないのは違うと思う」
敢えてAがいるときに言って、俺を説得させる気かなのだろう。
何だかんだ言って、俺も白石もAに説得されると聞いてしまうのは、彼女の言葉がすんなりと受け入れらるからだろうか。
────本人はまったく気がついていないがな。
「……彼女はいま、1日のほとんどをリハビリに費やしている。
ただ普通の生活を送るためだけのリハビリだ。
もう1度夢を追いかけるためのリハビリじゃない。
…このまま俺だけ夢を追うわけにはいかない」
「それは違います！」
Aがぱたぱたとこちらに駆け寄ってきて、訴えかけるように首を振った。
「藍沢先生だけのせいじゃないです！
彼女はもう1度、夢に向かって歩き出しています。
なら、藍沢先生も夢に向かってもう一度、歩き出してください…！」
ちらと、白石に目線をくれる。
彼女もまた、俺を見つめていた。
その薄茶の瞳に見つめられると、決意が揺らぐのは昔から変わらない────。
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リラン(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！読むたびに次をもとめてしまう！今後も期待してます！話は変わりますが、少年陰陽師読んだことありますか？何となく文が似ている所があってずっと気になっていたんです。急に質問すみません。もし知らないのであれば申し訳ないのですが… (2019年2月12日 12時) (
レス) id: c050d878db (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 18、大大抵ではなく、大抵では？ (2018年7月4日 20時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
鈴子 - コードブルー好きにはたまらないね\^-^/ (2017年10月14日 21時) (レス) id: bbbfeb8862 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！更新される度に続きが気になって気になって！最終回、楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2017年9月19日 23時) (レス) id: e98d2ab7a8 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢せんせすき - 面白すぎます笑楽しみにしてるので更新頑張ってください^ ^ (2017年9月19日 22時) (レス) id: 0944e50e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月12日 0時
