壊れかけのスノードーム

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時計の針が12を指した。その瞬間にスマホからは大量の通知音。｢あけましておめでとう！｣｢今年もよろしく〜〜〜｣なんて似たりよったりなメッセージが大量に送られてきている。その一つ一つに返事をする気にもなれずトークを開くことなく画面を落とした。もう観ていたテレビも終わったし、新年を迎えたのだからこれ以上睡魔に耐えて起きている必要もないし寝てしまおう。そう思いベッドに入りアラームをかける為にスマホを操作していると着信を知らせる画面へと切り替わった。『眠いのに誰…よ…！？』なんとディスプレイに表示されていたのは須貝先輩の名前だった。え、どうして私に電話を？あ、そんなこと考える前に出なきゃ。『もしもし…？』｢もしもし、あけましておめでとう｣『あ、あけましておめでとうございます！』｢新年最初はAちゃんの声が聞きたかったからさ｣…私だって須貝先輩の声を一番最初に聞きたかったんですよ？

君の声が聞きたくて sgi





『一緒に雪兎作りませんか？』｢この寒い雪の降る中で？｣『はい！』なんて言いながらいそいそとコートを着て外に出る準備をしている彼女。え、僕のコートまで持ってきたけど僕まだ返事してないよ？『はい、河村さんのコートです。早く行きましょ！』｢…しょうがないなぁ｣『やった！』この笑顔を見られるならいいかなって思ってる僕もいる。今年も僕は君に甘いらしい。

＊

『1個だけじゃ寂しいですかね？』｢じゃあはいこれ｣『河村さんの作ったやつの方が綺麗…』なんてしょげている彼女の作った雪兎の隣に僕の作った雪兎を置く。うん、初めて作ったけどなかなか上出来なんじゃない？｢寒い、早く戻ろ。手も冷たくなったし｣『うわ、河村さんの手凄い冷たい…』なんて言って僕の手を握る彼女。｢…この天然め｣『ん、何か言いましたか？』
僕はいつも君の行動にドキドキさせられてるって話だよ、絶対に教えないけど。

雪兎の前で kwmr





＊

あと1つ書くまでもう少々お待ち下さい…！

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