1年後へ駆け出して 2 ページ23
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「一緒に走ってください!」
『ごめんなさい、私あなたのことよく知らないので』
本日2度目のお誘い。でもよく知らない人から誘われても正直困る。
「Aモテモテだねぇ〜」
『でも知らない人に誘われてもさ…』
「そうだね〜、Aは山本くんのことが好きなんだもんね〜」
『ちょっ!?』
…でも実際、もし山本くんにバトンが回ってきたら誰を誘うんだろう。他の子誘ってる姿見るのは振られたみたいになるから見たくないな。
そんなこんなで次はもうアンカーになってしまった。
「あれ、アンカー山本くんじゃん。なんかごちゃごちゃしてるけど」
…本当だ。
気持ちの整理がついてないのに…。誰のこと誘うんだろう。
あぁ、いやだ、涙がでてくる。
「あれ、山本くんこっちに来てるよ?」
そんな友達の声なんてもう私には同情の言葉にしか聞こえなかった。
「…あの、Aさん。僕と一緒に走ってくれませんか」
あぁ、現実逃避したすぎて遂に幻聴まで聞こえるようになったのか。
「「「おおおーーー!」」」
なんだ、こんな幻聴まで聞こえるようになったのか。だったら現実を見て目を覚ますか。
顔を上げると
『え、山本くん?』
そこには顔を真っ赤にした山本くんが立っていた。
もしかして、さっきのは幻聴じゃなかった…?
「ほら、A!返事しな!」
『あ、えっと、私でよければ…!』
「…え!?本当に?」
『うん、はやくいこう?』
そうして私と山本くんは一位でゴールした。
体育祭が終わって今は後片付けをしている。
「あの、Aさん。今すこしいいですか?」
「行ってきな(コソッ)」
『あ、うん』
人のいない校舎裏までやってきた。少しの沈黙すら気まずい。
『今日は楽しかったね』
「うん、…あの、さ」
「僕、Aさんのことが好き、です」
『私、も山本くんのことが好き、です』
「僕と付き合ってくれませんか」
『…はい!』
あぁ、幸せだ。
「来年も一緒に走れたらいいなぁ」
『来年もバトン回ってくるかなぁ』
「…それくらい関係が続いて欲しいってこと」
そう言ってそっぽを向いた彼の顔は赤かった。でもそれ以上に私の顔も赤くなっていることだろう。
*
「あーあ、山本にAさんとられちゃった」
「Aさん、山本じゃなくて俺にしない?」
「あー!僕の彼女口説かないで!」
『山本くんしかみてないから安心して?』
「「…ご馳走様」」
*
微妙なのでいつの間にか消えるかも。
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音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 本当ですか!!そう言っていただけて嬉しいです!リクエストありがとうございましたー! (2020年12月14日 8時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます。まさにって感じです!笑 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 解釈違いでしたか…。ごめんなさい…。新しい作品を書かせていただきますね!申し訳ございませんがもう少しお待ち下さい…! (2020年12月10日 7時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます!こっちのバージョンも好きなんですが彼女は年下であまり賢くなくて頑張って伊沢さんが出した本を読んでてそれに気づかない伊沢さんにかまちょされるイメージでした...。 (2020年12月8日 9時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» わー!お返事遅くなってしまいすみません…!リクエストありがとうございます!できるだけ急ピッチで書かせていただきます! (2020年11月23日 9時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音穏 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月21日 21時