【wrwrd】え、幹部??……逃げてもいいすか【男主】

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てくてくてく

「………」

てくてくてく

「……………」

…なんか、背後から無言の圧を感じるんですが。
気のせいかな?気のせいだよね。

てくてくてく

「……………………」

…やめてください。そんなに見つめられたら、背中が凝っちゃうでしょうが。

なんて冗談はさておき。
ここまで来ると怖いを通り越して興味沸いてきた。好奇心だよ。
どうせ話す事もないのでじっくり考えながら歩くことにする。

今分かってる事を整理すると、コイツは俺を知ってるっぽい。でも俺は知らない。以上。
…情報少なすぎでは?
そんなことを嘆いてもどうしようも無いので、記憶を掘り起こす。
コイツの俺を知ってる、はもう確信に近いみたいだし。俺が忘れてるって方が濃厚だな。

結果。分からん。
いや、本当に誰だよ。見た覚え一切無いよ。
今までのターゲットの家族?違う。それだったら覚えてる。
それにコイツが俺に対して抱いてる感情は驚きだけだった。憎しみはなかった。
んじゃ、俺をどっかで見かけたみたいな?あ、だったら何で俺の名前知ってんだよってなるな。却下。
えー、俺の敵だったとか?
…それにしてはコイツの俺への接し方は親しすぎる。これも違う。

ん?そうか。親しげだったって事は俺とそれなりの関係を築いていたって事になるよな。
…俺の知り合いか。でもな、知り合い少ないからそう簡単に忘れない筈だよなぁ。

一人でうんうん悩んでいると、目の前の体が急に止まる。

『ぶへっ』

変な声出た。てか普通にぶつかっちゃった。ごめんなさい。

「お、ごめんな。…着いたで」

相手が謝った。申し訳ないね。
…着いた?

『どこにですか?』

「ﾌﾞﾌｯ」

後ろから噴き出す音が聞こえた。なんで。

「…会議室や」

あ、そっか。どこ行くのか忘れてた。
ニット帽の男の声も微かに震えてる。そんなに面白かったのかなぁ。

「…度胸があるのか、馬鹿なのか」

おい後ろ。聞こえてるからな。許さねぇぞ。
睨みつけたくなったが、ニット帽が前に進んだので仕方なく諦める。おのれ。

「おー来たか」

「来たでー!ほい、連れてきた」

部屋に入るとなんとなく見覚えが。あれ、ここあそこじゃん。
俺がグルッペン殺そうとしてたとこじゃん。
やけに広いなぁ、とは思ってたけど会議室だったとは。

そして思ったよりも人数がいる。こいつら全員幹部かよ。
椅子は何個か空いてるけど、10個以上はある。多くないか。

そして一番奥には。

「…よぉ、また会ったな」

金髪野郎がいました。

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