妖怪㐂伝、虹の岡［all］ (ページ8)

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妖の屋敷ページ8

紫side

やっほーみんな元気ー？

今日は暑いなぁ。扇いどる団扇も意味ないわ

甘く見とったらぶっ倒れてまうから気ぃつけや？

そう、

_今布団で唸っとるこの子みたいに

紫「あぁぁあ……ねむ、」

俺の名は、濵田崇裕

もう何年になるか

田舎の山奥のてっぺんで何人かの男達と家屋に住んでいる

緑「おはよう濵ちゃん」

紫「おはようさん。お、きゅうり。いただき」

緑「つまみ食いは許すけど、寝癖直してからな」

紫「……はーい。」

開口一番は太陽みたいな笑顔やったんに
途端に真顔でぴしゃりと言いつけられてしまった

そそくさと水と櫛で後ろのハネを直す

まだ料理中の神ちゃんを確認してから鶏小屋へ移動

紫「おはよう。いつもお世話なってます」

卵を何個か拝借して、餌の準備

今の子が見たらまさに田舎の暮らしって言われるんやろなぁ

…おっちゃん寂しいわ

橙「おはよー。朝メシ出来てますよー」

紫「りょーかい。おはようさーん」

赤「おはよう濵ちゃん！」

紫「うおっ、おはよう…」

縁側から大きくジャンプして、飛び乗ってきた可愛い子

うちは朝が弱い人はそこまでいなくて、むしろ俺が一番
引きずっとるぐらい。

寝起きは別やで？
皆起きた瞬間はこの世の終わりみたいな顔するから。

また見せたるわ

紫「じゃ、いただきます。」

全「いただきます！」

一応家主なので挨拶や代表的な立場させてもろてますが、
こいつら遠慮なしにいじくってくるし、上下関係はないな

ま、ない方がええわな。仲良く穏やかが一番

赤「遊びに行ってくる！」

橙「おぉ怪我すんなよー」

いつもみたく外に飛び出して行ったしげちゃんと庭仕事をする照史

縁側で猫を撫でていた俺の着物袖を誰かがくいっと引っ張った

紫「ん？どした神ちゃん」

緑「今日は俺も外出たい…」

紫「珍しいな。買い物か？」

緑「しげがおもろいもん見せてくれるんて。

やからぁ、、えぇ？」

首をこてんと傾げておねだりをするこりゃまた可愛い子

ええよええよと戸棚から粉を取り出して袋に入れる

紫「じゃあ目瞑って。」

緑「ん。」

紫「…ふっ…………よし完了！」

緑「やったっ！いってきまーす！」

神ちゃんの妖力を抑えるためにはこれをかけないと

元々外出をあまりしない子だけど、流石に軟禁状態は辛いもの
そんな時はしげと山から下りて人間観察するのだとか

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