妖怪㐂伝、虹の岡［all］ (ページ40)

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ただの人間ページ40

緑side

俺が悪霊に乗っ取られた日

改めて心も体も落ち着いて、濵ちゃんから二人っきりになった時聞かされた

紫「思い出させたくなくて、言おうか迷ったんやけど、、ええ？」

緑「……ええよ、忘れたわけじゃないし。」

紫「淳太が悪霊の中身に入った時、ただの人間なら闇に飲み込まれて一生出てこれなくなるはず。なのに戻ってきたのが不思議で、本人に聞いたん」

緑「そしたら？」

紫「中に人がいて、喋りかけられたって。その人が帰り道を教えてくれたらしい」

緑「闇に囚われてない、正常な人があん中におったってこと？」

紫「だから、神ちゃんも、その人に会ってないか聞きたくて…」

濵ちゃんもあまり理解できないようで、首を傾げながら頷いた

そりゃそうだ…おったからこそ分かる

あの中は真っ黒で、右も左もわからず、俺は足を一歩踏み出した途端に沈んだ

気づけば、、あいつらがおって、、見たことあって、、前で、気持ち悪くて、痛くて、怖くて、逃げたくて、でも誰もいなくて、

紫「…みちゃ……ん……神ちゃん！！」

緑「…、はっ…！」

紫「ごめん、やっぱりあかんな。やめよやめよ」

緑「大丈夫やで、もうわかっとるから。もう、あんなこと起こらないって、」

紫「でも、」

緑「いいから！続けて？」

気をしっかり持たんと。
この人は人一倍そういうの気にするんやから

中途半端で止められたら気になって寝られへんわ、

紫「しかも、照史に斬られた時。照史の言う通り、人間に鬼の刀は耐えられない。死に至るどころか、四股がめっためたや。

それをあいつは、、」

黄「……はっ、、よっしゃ！消えた！濵ちゃん！やっつけたで！！」

__傷一つなく、笑顔で起き上がった

紫「……あれは鳥肌たったな。あんまりにも無邪気やったから、微妙なリアクションしてもうた」

緑「…ただの人間、ではないな」

俺らと出会ったのも、もしかしたら何かのご縁なのかもしれない

それが良いのか悪いのか、今の俺には分からなかった

それでも俺は、全部が"幸運"であることを願っています

緑「…あ、おかえりなさい！」

「ただいま！」

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