妖怪㐂伝、虹の岡［all］ (ページ34)

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でっかいおチビページ34

桃side

家を襲った妖怪は「大かむろ」と名乗った

大きな身体(？)というより腕も足もない

ぎょろりとした目と太い舌

外から物音がして、様子を見に行った厳格な父が声を荒らげた

「来るなっ！！」

それが最後の言葉だった

言われた通り、自分の部屋で息を殺してクローゼットに隠れてた

ガラスの割れる音

母と姉の悲鳴

垂れる汗と涙

何が起きてるん…。泥棒？殺し屋？

恐る恐る隙間から覗いた

__みーつけた！！

桃「家族はあいつに食われ、俺は化け猫としてこの世に残りました。なんで俺だけがなったのかはわかりません」

紫「大かむろ…」

黄「それって、徳島のやろ？しかも驚かすだけの」

橙「よう知っとるな？！」

黄「勉強した」

紫「あぁ…淳太の時みたいに夏なら妖怪に地域は関係ない。でも、人を食うなんて…」

桃「こんな下っ端でも隣に置かせてもらって、…見たんです。

妖怪が、妖怪を食らう姿を…」

あいつは力はあるもののでかいから

何時もは手下に死体を持ってこさせてそれを食料にしてる

俺もその手下で、なったばっかで慣れない変化を一週間で自分のものとした

妖怪の世界は、まだ学生だった人間の頃より何百倍も厳しくおっかない

失敗すれば命取り。

死体を貪る光景を瞬きもせずに見せられ、生死すれすれまで体を壊して放置。治りが早い故、次の日にはまた働かされた

桃「あんたを殺さないと、今度は俺が殺される…でも約束したんや！これが成功したら俺も天国に行けるって！おとんもおかんも姉ちゃんとも会える！

…やから、俺こんな頑張ったんに…っ」

橙「…残念やけど、それは無い」

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