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家に帰ってきても、仕事に行っても、やっぱり思い出すのは二宮さんのこと。
寝ても覚めても、とはまさにこのこと。
恋してるって認めざるを得ない。
二宮さんに会いたい。
だけど、会うためにはあの店に行かなきゃならない。
女の子が行くなんてあり得ないお店に行くなんて、ハードルが高い。
だけど、私はもう既にあの店に入ったことがあって、店名の由来まで聞いて、変態女子確定。
きっと、二宮さんの中でも、私の印象は最悪。
それなら、当たって砕けるしかない!!
そんな風に思えたのは、初めはインチキだって思ってた占い師さんの言葉!
捨てるものも失うものも何もない私は、再びTATSUYAに向かった。
櫻ビルジングに行くと、また、ソースのおいしそうなにおいがして、腹が減っては戦ができぬ!なんて思って、初めて入った1階のお店。
たこ焼き屋さんだと思っていたら、昔良く食べていた駄菓子がたくさんあって、キョロキョロしていると、
「いらっしゃい!」
っ二宮さんより背が高い茶髪の男の人に声を掛けられた。
「あの・・・たこ焼き、持ち帰りで」
「まいどありー!」
彼はにーっと笑うと、「初めてのお客さんだよね?オマケしちゃうね!」なんて言いながら、たこ焼きをパックに詰めて、袋に入れた。
それを持って、階段を上がって、廊下の突き当たりのTATSUYAのドアの前で立ち止まると、深呼吸をした。
ドアノブに手を掛けるけど、ドアを開ける勇気がなくて、ドアノブに掛けた手をそっと下ろすと、ドアが勢いよく開いた。
「何してんの?」
「・・・え?あ、あの!これ!」
そう言って、さっき買ったばかりのたこ焼きの入った袋を差し出した。
二宮さんは、顔の前に突き出された袋を受け取ると、
「とりあえず、入ったら?」
って私に声を掛けた。
女の子ならきっと足を踏み入れない店内を奥に進む。
DVDのパッケージが並んだ棚が窓を塞いでいる無機質な店内はあまり見ちゃいけいない気がして、前を歩く、猫背の二宮さんの背中をじっと見つめていると、店舗の奥にあるドアを開けた。
「どうぞ?」
「・・・え?」
「せっかくだから、食べてけば?これ」
「・・・でも、それは、 二宮さんに買って来たもので」
「・・・さっき、俺も、下で買ってきたんだわ。さすがに2つは食えねえし」
そう言いながら、二宮さんは奥の部屋に入るから、私も慌てて、奥のドアまで移動すると、二宮さんは、ドアを開けてすぐのところで靴を脱いで、すぐ横にある冷蔵庫のドアを開けた。
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Haru - とても素敵な作品を読まさせていただき、ありがとうございました。reiさんの作品はよく読まさせていただいているのですが、これを機に、他の4人の作品も積極的に読んで行こうと思いました。これからも素晴らしい作品を期待しています。(Mintyさん、紫担同じですね!) (2019年8月29日 16時) (レス) id: 7c66034540 (このIDを非表示/違反報告)
mahiru(プロフ) - でいじぃさん、Mintyさん初めまして。つむりん、レイたん、よしのさんお久しぶりです!!素敵なコラボ楽しかったです!どのお話を誰が書いているのか想像しながらわくわくと読ませていただきました〜!またコラボお待ちしております! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 4f10843d37 (このIDを非表示/違反報告)
ににょ - つむさん、でいじぃさん、Mintyさん、よしのさん、 reiさん、豪華コラボのこんな素敵なお話を書いてくださりありがとうございました!とても面白いく、読んででキュン&ニヤニヤしてました(笑)また、コラボ作品見てみたいなぁと(≧∇≦)また会う日まで (2017年8月24日 18時) (レス) id: 2efc655b00 (このIDを非表示/違反報告)
梨沙(プロフ) - やっと読めたー!と喜んでおります。とても楽しうございました。またの機会をお待ち申し上げます。夏休みも終わるわー、はあぁ (2017年8月16日 15時) (レス) id: e385bf4ae4 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - 豪華コラボで楽しかったです! こんな5人のオムニバス映画がぜひ見たい!! (2017年8月14日 1時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻ビルヂング管理人 x他4人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年7月29日 18時