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今日のお稽古は華道
着物に着替えて先生とお母様と私でお花を生ける
「流石ですわ。お二人とも素晴らしい出来栄えでございます」
門下生にも見習って欲しいものですと先生は溜息を吐いた
執事たちがお茶菓子を用意して3人で談笑をする
「先生のご教示が的確だからこそですわ」
『先生はお若いのですから、後継は焦らなくてもよろしいのではないでしょうか?』
「嬉しいお言葉です。そうは言っても、私のお師匠はもう私を後継として育てていましたから」
そう言ってお菓子を上品に口に運ぶ先生
先生が才能の塊だっただけの話ではないのかしら
「でもお気持ちよくわかりましてよ。こればっかりはどうしようもありませんものね」
お母様は感慨深い声色で先生に共感した
「ご謙遜を。ゾルディック家は安泰ではございませんか」
ホホホと笑う2人に合わせて私も笑う
「ところで、Aお嬢様はもう婚約者は決まりましたの?」
『う…』
「今この子に縁談を進めるのを控えてるんですの」
「あらそう…今までの縁談相手が取りに足らなかっただけの話、お嬢様が気に病む必要はありませんのに」
私の周りの女性は気丈夫な人が多いな
『またよく食べることとか、お相手よりも強いことに対して何か言われてしまったらと思うと…私だってか弱くて守りたくなるような女性になりたいのに』
「あらまあ、キキョウ様、縁談のお相手の調査不足でなくて?」
「裏家業の有名一族ばかりの縁談でしたわよ?でもまさかあんなに呆気なく負けるとは思いませんでしたわ」
「あらそれなら仕方ありませんわね」
弱い男に従う道理はございませんものねと先生はお茶を飲む
『…私、こんなことで素敵な方と出会えるのかしら』
ションボリーヌしてしまった私にお母様と先生はあらあらと顔を見合わせる
「お嬢様はもっと沢山の出会いをするとよろしいですわ。いろんな方を見て、いろんな経験をされれば、自ずと出会えますわ」
先生はニコニコ笑って私にお菓子を勧めてくれた
私は大きく頷いてムシャァとお菓子を頬張った
美味しい沢山食べられる
お母様も私にお菓子をくれた
結局20個ほど平らげた
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作者名:ふぇもふぁ | 作成日時:2020年5月18日 20時