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20「同じ血、抱え込んだ想い」 ページ25

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ゴボボッ


ザブ「!!」

カカ「白…ザブザを庇って…」

先生は動けない。白に腕を掴まれているせいだ。

ザブ「俺はつくづくいい拾い物もしたなぁ。最後にこんなチャンスが来るとは」

白ごと斬り倒そうと刀を大きく振りかざす
危ない!


刀が振り落される寸前
白を抱えて避け距離をとる。

ザブ「白が死んで動けたか」



先生に白の死体を渡される。
死んでも尚、止まることのない
大量の生暖かい血。
わたしにも同じ血が流れてるんだ…
もしこれが、この血の運命だとしたら?
わたしもこの人みたいに
捨てられるのかもしれない……


『わたしたちってなんなんだろうね』

どんなに不運な運命を作ったこの血でも
無惨に流れ、汚れていくところは見たくない


カカ「…A、傷口を治しても、もう生き返らないよ」


ザブ「無駄なことを」


『したいからやってるの!!!……わかってる、今さら大切にしたって、死んでからじゃ意味なんてないことくらい…!』

ザブ「……」


あの憎い口ばかりきくザブザが
感情を殺したような顔で突っ立っている。


『こんなことしたって、自分の慰めにしかならないのにね……』


さっきまでの叫びが
弱々しく、かろうじて声に出る




ポスン……
え?

先生の手が優しく頭を撫でている
カカ「A……。ようやく弱音を言えたな、えらいぞ」

『ぇ…?』


弱音を吐いてえらい?
忍が弱音なんか吐いちゃだめに決まってる

でもなんでだろう、
先生に受け入れられた気がして
微かに高揚する。

ああ、そういえば
木の葉に来てからわたし
一度も弱音を吐いてない気がする。
霧隠れでのことを話すのは
ずっと禁じられて育ってきたから

本当は「覚えてない」ワケがないのに
ずっと言えずにいた。
言ったら里に居られなくなってしまうのではないかと、いつもビクビクしていた

でも先生は受け止めてくれた。

カカ「大丈夫だよ。俺はお前を、絶対に最後まで大切にする」

『せん…せぇ』

ザブ「ハッ! そんな甘ったれた話はもう終わりにしてくれよ。なあ、カカシ!!」


涙が溢れそうになるのを、上を向いて堪える。
今のザブザは何もない空っぽ。
先生に勝てやしない。


だから、そうだ。
わたしはわたしのやれることを全うしなくっちゃ!


『サクラ、タズナさんと一緒に行こう。サスケのところに』

サク「ええ…!」

21「終戦」→←19「白の守りたいひと」



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作者名:赤成 | 作成日時:2019年2月25日 11時

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