22話 羨ましいの ページ24
この日は月や星を隠すほどの厚い雲が空一面を覆っていた。心なしが空気も重い。
A「はぁ…」
ここまで来るのにかなり時間がかかった。
師範は今何してるんだろう。
任務に出たりしてるのかな、とにかく早く終わらせて師範に会いたい…
樹海までの道のりもずっと昨日のことを考えてた。
ザシュッ
鬼を切ってるこの瞬間でさえも。
地面がどんどん赤黒く染まっていく。
この樹海には死にたい人間が多く集まる。
そして、その人間を食いに鬼も集まってくるようだ。
あと何体切れば終わるかななんて思ってると、
「Aちゃーん!」
どこからともなく私を呼ぶ声が聞こえた。
声の聞こえた方向に目を凝らすと…
綺麗な桜餅に似た色の三つ編みを弾ませながら、こちらに向かって走ってくる人物がみえた…
A「甘露寺さん…」
彼女には数回会ったことがある。
師範と食材の買い出しで街に行った日に初めてあった。それからは彼女が師範を訪ねて屋敷に来た時にも顔を合わせた。
もちろん、師範と文通をしていることも知っている。
そして、彼女と会う度に知った。
師範が彼女に向ける表情を。
私は、彼女のことを決して嫌いなわけではない。
私のことをとても可愛がってくれているのだから。
それどころか、私も誰にでも平等に笑いかける彼女のことが好きだ。彼女は全身から光が溢れ出ているかの如く私には、眩しくみえた。
ただ今、一番会いたくなかった人には変わりない。
また昨日のことを思い出す。
そして、ありもしない想像を頭の中で繰り広げてしまうのだ…
甘露寺「Aちゃん!久しぶりね!合同任務だと言われて来たのだけれど、相手がAちゃんて私とても嬉しいわ!」
なんて、甘露寺さんは屈託のない笑顔を私に向けてくれる。こんな笑顔を向けられた日には私でさえも、ときめかざるをえない。
A「ありがとうございます!私も甘露寺さんが一緒だと心強いです」
甘露寺「またまた〜 Aちゃんも伊黒さんの自慢の継子じゃない!伊黒さん、いつもお手紙でAちゃんのこと教えてくれるのよ!」
文通で師範は甘露寺さんにどんな風に私のことを話しているんだろう、
師範は私のことどんな風に見てくれてるんだろう、
甘露寺「Aちゃん?」
A「あ、ごめんなさい!私、またぼんやり…」
甘露寺「そんな!気にしないで!早く片付けて帰りましょ!」
A「はい!」
私達はさらに奥に進んだ。
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます!続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます!伊黒さん素敵ですよね!またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び) 楽しかったです!推しは伊黒さんです!楽しかったです!(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃたん | 作成日時:2020年1月13日 11時