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スイカの笛から奏でられるのはチャルメラの音楽。A達が橋の近くにラーメンの屋台を出すと、匂いと音に誘われて村人が続々と集まってきた。"連中にとっては神の飯のはず"という千空の読み通り、ラーメンは他の村人にも好評だ。
「このすっごい美味しいの作ってくれた人♡千空くんっていうの〜?どんな子がタイプ〜?」
"好みのタイプは奢ってくれる人"ルビィが早速千空にアプローチをかける。
「ふわふわの亜麻色の髪に青い目の才色兼備なお姫様が一番だが、製鉄炉に大量の酸素を送れる娘も好みだぞ」
「千空、君は回りくどく口説いたりとか一切しないたちだな…。ド直球すぎる!!一番は思い切りAのことじゃないか!」
「あ゙?お姫様以上に良い女はいねえぞ?」
「…仲が良くて何よりだが………む、そう言えばAは何処だ?」
コハクが訊ねると、千空がすっとある方向を指差した。
その方向にコハクが顔を向けると。
「君、名前は?」
「彼氏いるの?」
旧時代のナンパのように、Aが男性陣に取り囲まれていた。スイカに"キラキラ三姉妹より綺麗"と言われただけはあるのか、見慣れない美少女は注目の的。当の本人は微笑みを浮かべて受け答えし、科学王国への勧誘も怠らない。
「……すっげえ楽しそうだな。"集まってくる男の人が良いように動いてくれるのが楽しいから"って、野郎が集まるパーティーとか好きだったもんな」
「完全に悪女の台詞じゃないか…。Aは楽しそうだが、君は楽しくなさそうだな」
時折Aの方を見る千空の顔は明らかに不機嫌だ。
「……恋愛脳は非合理的なんだよ」
「ハ!君が言うと説得力があるな。合理主義の塊のような君が、Aのこととなると露骨に一喜一憂するからな」
男性陣の相手を一通り終えたところで、のんびりとした声が響いた。
「飲み物も欲しくなっちゃうね〜。コーラとか」
どこかで聞いたことはあるけど、聞き慣れてはいない青年の声。
見慣れない人物だったのか、コハク、金狼、銀狼が武器を構えて、彼を取り囲む。
「偽りなく答えろ。さもなくば、この場で喉をかき斬る!貴様、長髪男の手の者か!?」
「いや〜、こんな可愛い子にシメられるなら悪くないけど、なんか俺を誰かと間違えちゃってない?長髪男なんて知らないなぁ。俺は石化がとけてから、ずっと一人だけど…?」
コハクの鋭い声に対して、男の声は全く揺らがなかった。
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね! (2021年3月30日 7時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ! 頑張って下さい ! (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御影ゆき | 作成日時:2020年5月23日 20時