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「あら、わたくしのこともお嫌い?わたくしは貴方のこと嫌いじゃないのに、女で一括りにされて嫌われるのはあんまりだわ」
"考え直してくださる?"と顔を近付けると、クロムが勢いよく後退る。
「〜〜っ、だからそれやめろよ!」
「あら、どれのこと?」
「顔近付けてあちこち触るのやめろ!」
「ふふ、色気のない言い方。…せめて誘惑と言いなさいな」
「俺じゃなくて千空にすりゃ良いだろ!?」
クロムが千空を指差す。
そう言われてもねえ……。
「千空には迫って言う事聞かせる必要ないじゃない?あと、クロムみたいに純情な反応はしてくれないもの」
「俺で遊んでんのかよ!」
「ふふ、御免なさいね」
だって楽しいんだもの。
「"奢ってくれる人"つってる奴だけワンチャンあんな。何を欲しがってる」
「魚とかのお食事だよ。あ、お食事といえば、村一番の食いしん坊ガンエンも"毎日毎日焼き魚に飽き飽きで死にそう!"って、新しいお食事を探してたんだよ」
「ククク、さすがは名探偵スイカ様だ。アッサリ見えてきたじゃねぇか。仲間をゲットするための科学の餌がな…!!」
「まさか食事を作るのか?」
「科学関係ねえじゃねぇか」
「関係ねえどころか、飯=科学だ。そもそもテメーらが毎日食ってる魚の旨味ってのは、なんだと思ってやがる。グルタミン酸やイノシン酸だぞ」
「千空、それ言われても誰もピンとこないわよ。それに村人全員を虜にする絶品料理なんて作れるものなの?」
「お姫様みたいに舌肥えてたら無理ゲーだったが、原始のコイツらは焼き魚に飽き飽きしてるようなレベルだからな。どうにかなるんじゃねーの?」
ふと、千空がスイカちゃんの方に目を向ける。
スイカちゃんは猫じゃらしで犬と遊んでいた。
「スイカ、テメーのそれ、なんだ?」
「ああ、これはね、スイカの友達の犬のチョークが大好きなオモチャ──犬じゃらしだよ」
「猫じゃらしな。それがありゃ作れっかも知んねえ!俺ら旧世界の人間なら全員大好きな、あの世界一旨い料理がよ」
猫じゃらしで作る国民食なんてあったかしら…?
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね! (2021年3月30日 7時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ! 頑張って下さい ! (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御影ゆき | 作成日時:2020年5月23日 20時