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「妖術なら負けねー!手ェ出すんじゃねーぞ…!!」
クロムの一言で始まった妖術対決。
ここでは危ないからと村へと繋がる橋から離れた、クロムの倉庫近くで行うことになった。
クロムは"ここで待ってろ!!"と言って、倉庫に何かを取りに行った。
「見とけ!俺のヤベー妖術『レインボーブリッジ』!俺は炎を自在に操る…!!」
そう言ってクロムが何かを焚き火に投げ込むと、炎が黄色に変わり、続いて青緑、紫へと変化を遂げる。
「すごい、これが妖術…!!」
「あらあら、何かしらの科学だと思うけど凄いものね」
「100億%科学だ。……なにがレインボーブリッジだ、フッツーの炎色反応じゃねえか。塩、銅、硫黄の順でブチ込んだだけだろが。銅は硫酸銅とかか?洞窟でかっぱらってきた青い結晶だろ?」
クロムの得意げな顔が崩れる。
嗚呼、図星だったのね。
「おおぅ、まさか!?俺の術がよ、こんなハッタリくせーのだけだと思ってんじゃねえだろーな!」
「何も言っていないぞ」
何も言わないけど、方向性は理解できたわ。
"今度はマジでヤベーぞ!!"と言って、クロムが取ってきたのは謎の球体。クロムがゴシゴシと擦って、その手を銀狼に近付けると、銀狼が痛がる。
なるほど、静電気ね。
千空がひょいとその球体を取り上げる。
「……硫黄のボールか?」
千空の言葉にクロムの表情が変わる。
またしても図星だったみたい。
「さっき火にもブチ込んでた硫黄を、土器につめて火で溶かす。冷めて固まったら、外側の土器だけ割って完成か。スゲー作り方だな!硫黄玉の静電気発生器、本来17世紀の発明品だ」
相変わらず知識が豊富ね。
"手でこするよか革のが100億倍パワーあんぞ"と言って、杠お手製の旗で硫黄のボールを擦ると千空の髪が一気に謎の生物みたくなっている。
貸してもらったコハクと銀狼も楽しそう。
なんだが実験教室にやって来た子どもみたい。
「…クロム、テメーはこの原始の村で全部自分で考えたのか。使えそうな鉱石や科学素材もあの倉庫に全部自分で集めたのか」
「おう、そうだよ悪かったな。ガキはすぐなんでも集めんだよ。集めたもんブッ叩いたり混ぜたり燃やしたり、んでもしヤベーこと起きたらそれが妖術だ!それ以外にねーだろが!!」
この原始の村ではクロムは妖術使いでしかなかったのでしょうけど、この子はとても頭が良い。
何十歩も先を進んでいて、周囲の理解が追いつかないほどに。
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね! (2021年3月30日 7時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ! 頑張って下さい ! (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御影ゆき | 作成日時:2020年5月23日 20時