【第十九話】 ページ23
「そうか。
お前以外に江戸に出たもんはいないのか?」
頷きながら言葉を返す。
「両親も兄もまだ萩に。
今でも文のやりとりはしているんですよ。
ただ私が
Aが江戸にやってきた時、両親はAを教師にさせたかったと言う。
それがどうだ、例によって届いた文には武装警察 真選組に入隊したとの報せが記してあったのだ。
両親からは猛反対を受けた。
「なんでそんなに反対するんだ。」
「危険だからって。まあそうですよね。
戦争で長男を失って、挙句無事に育って欲しいと江戸に手放した娘まで武器を取る様なこと、両親には酷だったと思ってます。」
確かになと相槌を打つ。
「A、
は?と声が出て、咄嗟に辞める気はありませんけど、と続ける。
少しの間が空いてAが痺れを切らした。
「こんなこと聞いてなんなんですか?」
2人の間に再び流れる沈黙。
ただの同僚同士の会話の中で、何が土方をこうも悩ませているのかAには理解が及ばなかった。
「土方さん?」
「悪い。」
え?と聞き返すA
「悪かった。」
「なにがですか?怖いんですけど。」
土方さんって謝れるんだ〜とお得意の煽りを始める。
いつもなら大声を出す様なAの煽りに、微動だにしない土方。
「…なんなんですか、本当に。」
網の上で泡を吐く肉がじりじりと音を立てて炭になっていった。
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やま - 次の話が気になります!!更新頑張って下さいね (2022年10月13日 17時) (レス) @page40 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ☆さん» ありがとうございます!嬉しくて何度も読み返してしまいました笑ゆっくり更新していくので気分転換がてら読んでもらえたら嬉しいです☺︎ぜひまたコメントお願いします♡ (2022年9月4日 10時) (レス) id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - とっても好きです。21話の夢主ちゃんの言葉が、単純で、重くて、強くて、読んでいて圧倒されました。更新の度にわくわくしながら読ませてもらってます🙇♀️無理はなさらず、頑張ってください💖 (2022年9月1日 20時) (レス) @page25 id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - まつたけさん» ありがとうございます!最近一段と亀更新ですが楽しんで貰えると嬉しいです!またぜひコメントお待ちしてます☺︎ (2022年8月31日 13時) (レス) @page24 id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
まつたけ - この小説すごく好きです。 (2022年8月15日 19時) (レス) @page22 id: 796715c198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:威杜 | 作成日時:2022年6月18日 2時