【第十七話】 ページ21
「ところで、話って。」
順々に焼き上がり、目の前に移動してくる肉をぱくつきながら話を切り出す。
「あぁ。特に話って訳じゃねぇ。
いくつか聞いておきたいことがあるだけなんだが、お前どこの出だ?」
確かに入隊から4年余、個人的な話はしたことがなかった。
「私自身は育ちは江戸ですよ。
生まれは萩です。」
萩という言葉に
「親兄弟は?」
「今は両親と8つ上の兄が1人。」
Aの妙な言い回しに首を傾げる。
「今はってのはどう言う意味だ。」
私もよく知らないんです、と続けるA。
「本当はその上にもう1人兄がいたらしいです。
確か2番目の兄と年子なので私の9つ上だったと思います。
ただ幼い内に家を出ていた上に戦争で亡くなったとかで、顔も知らないんですよ。」
なんとなく影を覚えてるかなってくらいで…。
Aの9つ上って言ったら生きてりゃ俺と同い年か。
「江戸に来たのは?親兄弟も一緒か?」
ジュージューと音を立てる個室の中で淡々と質問が投げかけられ、こちらも淡々と返答していくA。
個室の割にさして煙くもない室内にお互い逃げ場はなく、何とも言えぬ空気が漂っていた。
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やま - 次の話が気になります!!更新頑張って下さいね (2022年10月13日 17時) (レス) @page40 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ☆さん» ありがとうございます!嬉しくて何度も読み返してしまいました笑ゆっくり更新していくので気分転換がてら読んでもらえたら嬉しいです☺︎ぜひまたコメントお願いします♡ (2022年9月4日 10時) (レス) id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - とっても好きです。21話の夢主ちゃんの言葉が、単純で、重くて、強くて、読んでいて圧倒されました。更新の度にわくわくしながら読ませてもらってます🙇♀️無理はなさらず、頑張ってください💖 (2022年9月1日 20時) (レス) @page25 id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - まつたけさん» ありがとうございます!最近一段と亀更新ですが楽しんで貰えると嬉しいです!またぜひコメントお待ちしてます☺︎ (2022年8月31日 13時) (レス) @page24 id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
まつたけ - この小説すごく好きです。 (2022年8月15日 19時) (レス) @page22 id: 796715c198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:威杜 | 作成日時:2022年6月18日 2時