三十八話 餓鬼霊 ページ39
「それより私喉渇いちゃいました。」
「俺もだ。近くで水の音はするがこういう場所のもんは口に入れねぇ方がいいだろ。」
だんだんあの不気味な奴らの声は聞こえなくなり通り過ぎたのだと予想する。
しかし喉は渇いてるし脱出方法もわからねぇ。
このままだと死んでもおかしくない。
「にしても不気味な奴らでしたね。鎌とか殺傷能力高いもの持ってて私達のこと殺す気満々でしたよ。」
「おそらく今まで消えた奴らも同じ目にあってたんだろうな。」
俺は柱で鍛えてるから逃げきれたが一般人は奴らから逃げ切ることは至難の業だろう。
「もう私ひとりじゃ寝れないですよ。あんなの見ちゃったら……」
「幽霊って言うのは死んだら怪我も全て無くなるはずなのにあいつらはそうじゃなかった………悪霊か?」
.
.
「そーだ。悪霊の中でも一番厄介な餓鬼霊だ。」
ばっと頭をあげれば穴を覗く見知った黄金色の瞳。
相変わらずの胡散臭い笑顔を浮かべた太刀川Aが立っていた。
「太刀川!!」
「太刀川くぅうん!!」
「ぐへっ!」
須磨と抱きつけばもやしの太刀川は重さに耐えきれずぶっ倒れた。
死ぬ!と叫ぶので仕方なく離れれば太刀川は青白い顔で「三途の川見えた」言いながら立ち上がっていた。
「取り敢えず水持ってきた。ほら、飲め。」
「太刀川愛してる」
「きも」
ドン引きしながらも太刀川は水を飲む俺たちに話を始める
「お前らここのもんを口に入れてねぇよな。」
「はい、一応……やっぱ駄目なんですか?」
「当然。
「ひぇえ!」
怯える須磨を他所に太刀川は本題に入る。
「ここは霊界じゃなくて幽界。そんでお前らを襲っていたのは餓鬼霊だ。」
「がき…?」
「生前に殺人などの悪事を働いたり他人を苦しめたりした人間が、死後も霊界へ導かれることもなく幽界を彷徨い続けてんだ。生前の欲望の飢えや渇きに苛まれ続けている存在が奴らだ。」
「もし捕まったら…どうなるんですか?」
「精神を捕食される。もし現世にいたら自らの欲望を満たすためにとり憑くこともあるし、とり憑かれると異常に食欲が増したり粗暴になったりする」
もし捕まってしまったら……と考えるとゾッとした。
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病葉 - ……………ってか五条悟ぅぅぅぅ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 5950959ea4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 最高に面白かったです!!! (2020年12月6日 19時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - cvを中村悠一さんイメージにしてくださってありがとうございますm(_ _)m (2020年9月5日 21時) (レス) id: 66cf0f24ad (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - ↓空気読まないコメント (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - 弁護士と書いて実.弥と読むw (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月15日 19時