三十七話 人ならざる者 ページ38
宇髄side
「派手に薄気味悪い……おい、須磨!起きろ」
「んぅ……」
目が覚めれば太刀川も雛鶴達もおらず周りは不気味という形容詞が一番相応しいほどおどろおどろしい雰囲気を放っていた。
「クソっ太刀川がいねぇと下手に動けねぇな」
「うぇえん……太刀川くぅうん」
普段は詐欺師のように胡散臭い男だがこういう場では1番頼りになる太刀川がいない。
須磨がいる手前怖がらせるようなことは出来ないが俺も不安である。
「取り敢えずどっかで隠れて様子見…」
「天元様!あれ!」
須磨が指さした方を見れば廃墟の傍に人影があった。
何かの手がかりになると近ずけばだんだんその姿ははっきり見えた。
「ひっ!?」
「!」
くるりと振り返ったそれはあるはずの目玉はなく返り血のついた着物を着た痩せこけた男だった。そしてその足元は半透明だ奴が幽霊でここが霊界だと再確認させられた。
「あ"ァァァあ!久方ぶりの血肉…!お前ら!!追加の人間が来たぞぉお!!」
男の霊が叫べば他の廃墟の影から次々と人ならざる不気味な霊が飛び出てきた。
そして中にはは鎌や刀、ノコギリを手にしている者もいた。
「あ"ぁ!食わせろ!肉を!殺してやる!」
「須磨、取り敢えず逃げるぞ!」
「えぇん!怖い!死にたくないですぅう!」
須磨を担ぎ急いで逃げる。
後ろを見ればズルズルと内臓を引きずる者、手足がちぎれた者、不気味に笑っている者、生きる屍のような奴らが決して遅くはない速さで追いかけてきていた。
「贄だ!贄だァあ!食いたいよォお!!」
「にえ?」
「多分生贄のことだろ…!」
「いやぁぁぁぁああ!!」
食われるぅう!と叫ぶ須磨を黙らせて山の奥へと走って入る。
そして近くに小さな洞窟のような穴がありそこに隠れる。
「取り敢えずここでやり過ごすぞ。」
「怖いよぉお…」
鬱蒼とした山の中。遠くから俺たちのことを探す幽霊の声が聞こえた。
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病葉 - ……………ってか五条悟ぅぅぅぅ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 5950959ea4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 最高に面白かったです!!! (2020年12月6日 19時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - cvを中村悠一さんイメージにしてくださってありがとうございますm(_ _)m (2020年9月5日 21時) (レス) id: 66cf0f24ad (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - ↓空気読まないコメント (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - 弁護士と書いて実.弥と読むw (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月15日 19時