霊柱は胡散臭い【鬼滅の刃】 (ページ27)

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二十六話事件遭遇ページ27

ザワザワ

伊黒との合同任務の帰りに宇髄と実弥に遭遇して洋風な店で四人でお茶をしていれば窓際の方で何やら人だかりができていた。

「おいっ何があった？」

「あぁ、なんでも男が飛び降りようとしてるらしいぜぇ。」

近くの客に話を聞けばおっさんが死のうとしているらしい。

「めんどくせぇな。」

「死にたいだと？本当に死にたい奴はこんな人の多い所で死のうとしない。ただのかまってちゃんだ。ほおっておけ。」

「いや、でもここは派手に高ぇとこだし万が一落ちたら怪我じゃ済まねぇぞ。」

「というか伊黒も実弥もここの甘味気に入ってんだろ？大丈夫か？このまま死なせたらあのおっさん地縛霊になんぞ。」

そう言えば二人の目付きが変わった。
元々二人ともお人好しだし止める気はあったのだろう。

人混みを分けておっさんに近づく。

「近づくなっ！こっちに来たら飛び降りるぞ！」

「あ"ぁ、おいっおっさん。そこから落ちたら……痛てぇぞ？」

「説得下手かよ。」

ここ10階だぞ？そら痛いわ。

「え？でも落ちてる最中に気を失うって…」

「それは人による。それに飛び降りは確実に死ねるとは限らない。大怪我で終わることも多い。練炭や首吊りの方が確実性がある。」

「他の死に方提案してどうすんだよ馬鹿。」

「別に。俺はあのおっさんがここの地縛霊にならなければどこで野垂れ死のうがどうでもいい。」

「派手にクソだな。」

本気で止めたがる実弥と命を粗末にしようとするおっさんに伊黒は若干冷たい。

「…………死にます」

「おい！！待ておっさん、はやまるんじゃねぇ！」

「伊黒！繊細なおっさんの心を労わって！お前は今からネチネチ禁止だ！二行以上喋るんじゃねぇぞ！」

「なんだと？なぜ俺が悪者になるんだ。そもそもあんな目立つところで死のうとするおっさんが営業妨害で犯罪者だ。向こうの方が悪者だ」

「馬鹿野郎！三行喋ってんじゃねぇ！二行までだろォが！」

三人で説得して不満そうにしぶしぶ伊黒が黙ってくれた。