黄色のガーベラ

よんじゅういち ページ41

「すきだよ？」

普段好きだって言う時は全然恥ずかしくなんないのに、なんか今は恥ずかしくなっちゃって。隣に座ってるAのことを見れない。
きっと耳だって赤くなってるだろうし、逃げたくなっちゃってアイス食べよ！と立ち上がると、手首を掴まれた。

「え、なに」

「わたしもすき」

「えー、誰が？」

じっと目を見て好きだ、って言ってくれるから。嬉しくなっちゃって、照れくさかったのなんて忘れて隣に座る。
ちょっと前までは前のこともあって、「わたしもだよ」しか言ってくれなかったのに、最近は「わたしもすき」って言えるようになって。
ただでもおれは「たかくんがすきだよ」って言われたいから、時々こうやって誰が？って言って意地悪しちゃう。

そうするとね、Aは酔っ払ったの？ってくらい赤くなりながらたかくんが好きなのって半分投げやりになって言うのよ。
それがすっげーかわいくて。ほんとに時々だよ？嫌な思い出掘り起こしちゃうことになるからほんとに時々。20回に1回くらい。ちょっと盛ったかも。
まあつまりはこれが3回目くらいってこと。

やっぱりAはもごもごしてるから、もう1回追い打ちをかける。

「ねーえ、だれがすきなの」

「え、っと」

「うん」

言いにくそうにするAにゆっくりでいいよ、なんて優しくしたくなるけど、ちょっと我慢。
今日はちょっと意地悪したい。
夕飯食べてる時もさ、個室で2人なのに先輩の顔のままでいたら、寂しそうに口尖らせたりしちゃって。
おれもうちゅーしたいのかとおもってちょっとむらむらしちゃったのは、ここだけの話ね。

Aは一世一代の告白みたいな顔しておれのこと見つめてくるから、ちょっとおもしろくて頬が緩んじゃう。

「っ、たか、ひさが、すきなの」

「は」

、、、聞き間違い？
気のせいじゃなければ呼び捨てされたよね？たかくんって呼ぶのもあんなに照れてたAが？

「A、もっかい」

聞こえなかった、って言えば眉間にグッと皺を寄せて。そんな顔されたら嫌なことさせてるみたいじゃん。

「だから、」

「うん」

「っ、たかひさ、が、すきなの」

耳まで真っ赤にして、でもすっげえかわいい顔しておれをじっと見つめて言われたらもう、歳上の余裕とかどっか行っちゃう。元から無いけど。

Aの柔らかい唇におれのを押し当てて、すぐ離して角度を変えてもう1回を繰り返しているうちに少し空いた隙間から舌を滑りこませると、甘い声が漏れてきて下半身が重くなった。

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