吸血鬼とモブJK 2【ジョジョの奇妙な冒険】

unlucky ページ19

『あの人達に襲われそうになったんです！』


「何ィ〜？！」


アヴドゥルさんと電柱さんを指さして、涙ぐみながらそう言うとおじいちゃんは異様に驚いた。


オーマイガー！とアメリカンチックに反応し、長ランの男と顔を見合わせている。


「まさかアヴドゥルとポルナレフがそんな趣味があったとは…！」


気持ちの悪い奴らじゃのぉ〜、とおじいちゃんは他人事のようにそう言って私の頭を撫でた。


ああ、そうそう！


おじいちゃんのセリフで思い出したけど、電柱さんじゃなくて、彼の名前はポルナレフ！


忘れてたけれどそうだった。


……って、あれ？


ここで私は何かおかしな違和感に気がついた。




『何でおじいちゃんが、あの人達の名前知ってるの』


「ん？何でって……」


「ちょっとジョースターさん、それ誤解です！」


遅れて、私を追ってきたアヴドゥルさんとポルナレフさん。

2人はまるで、このおじいちゃんと知り合いかのような態度で…。


「ジョースターさん、そいつはスタンド使いだ！気をつけろ」


「何ィ〜！？さっきから何が本当なんじゃ！」


『え、ポルナレフさん今ジョースターって言いました？おじいちゃんもしかしてジョースター！？』


「Oh No！なんてカオスじゃ！承太郎助けてくれ」


話がどんどん飛躍していく。


おじいちゃんは長ラン男…承太郎さんという人に助けを求めていた。

依然として無表情の承太郎さん。


何処と無くおじいちゃんと顔立ちが似ているから、彼の孫とかなのかもしれない。


何も言わず、じっと私を見下ろしていた。


圧えっぐいけど、大丈夫そ？



『えっと、取り敢えずポルナレフさんとおじいちゃんはお友達…みたいな関係？』


承太郎さんから目を逸らして、おじいちゃんにそう聞く。


おじいちゃんは少し考える素振りを見せたあと、うーんと唸って"まぁ、そんなとこじゃな"と首肯した。


『なるほど…』


やっぱり、そういう事だったのか。


ジョースター御一行…

DIOを倒しに５、６人のメンバーがカイロに向かってきているという。

DIOの周りの部下たちが毎回毎回、倒すと言って彼らに向かって行っては無事で帰ってきた試しがない。


こんなところで出くわしてしまうとは。


私はただ明後日のお泊まり会の買い出しに来ただけなのに！


「もう、しらばっくれても無駄だぜAちゃん？」

『うっ、』


なんてこったい、こんな不運体質な人間がこの世にいるのか。

助けを求めた相手が間違っていた。

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