WAKWAK ページ50
「A、何故勝手に館を出て行った」
『いやいや、帰るねって言ったじゃん!もしかして聞いてなかったの?』
蒸し暑い夜気にネオンの極彩色がうるさい通りを、2人は並んで歩いていた。
東洋人の可愛らしい少女の隣に、195cmの派手な見た目の男が並んで歩いているのは、なんとも異様な光景だった。
『てか、何で着いてきたん?』
「着いてきた…?フン、自惚れるなよ!このDIOが貴様が心配だからといってわざわざ館から出てくるわけがないだろう」
"気晴らしに散歩をしにきた"
DIOは得意げな表情でそう言って、さりげなくAの右隣から左隣に移った。
3台の自動車がフィルムの影のように音もなく走り去っていくのを見て、AはDIOのその行動に納得する。
そして内心、少し驚いていた。
"まさかこの吸血鬼にジェントルマンの心得があったとは"
わざわざ車道側を歩くだなんて、気でもおかしくなったのだろうか。
至って普通の男性の行動をDIOがやると妙に気持ちが悪いなと、Aは思った。
「わざわざこんな時間に帰らなくても、泊まっていけば良かったじゃあないか」
『泊まり…!?』
何故か泊まりという言葉に過剰に反応したAは、大きな声を出して、黒目がちな目を見開いた。
そして、DIOの手をガシッと両手で包み込むように掴むと言った。
『泊まりってあれでしょ!?お菓子食べて夜更かしして、映画見たり、ゲームしたり、恋バナするやつ!!』
「……ん?」
『今度やろうよ、お泊り会!相手がDIOなのは少し不服だけどパーティーは好き!あと、枕投げもしたい!』
突然のAの活発ぶりにDIOは固まった。
さっきまで、びっくりするくらい無表情だった癖に単語1つで、こんなにも上機嫌に目を輝かせるのはおかしなものだ。
Aは18と言えども、まだ現役JK。
泊まりや、パーティーといったキラキラして楽しいものに敏感なのだ。
『何準備しよう、てかさこの時点でもう楽しくない?』
「……貴様は本当に読めない奴だな」
DIOは少し物哀しげに微笑むと、Aの手を握り返した。
そして壊れ物を扱うかのように……ではなく、リンゴでも握りつぶすかのようにAの手を強く握ると、圧倒的なドヤ顔を見せた。
「そんなにこのDIOと"お泊まり会"とやらをしたいなら、今回は特別に予定を立ててやろうじゃあないか…!生憎、私も暇じゃあないからな大変特別な事だと思え!」
本当はこの吸血鬼、毎日暇なのである。
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わるび - 読み始めました。ふたりも見守るキャラクター達も凄く可愛らしくて、家族が居るのに笑ってしまいました( *´艸`)素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます!ほのぼのと癒されました。 (2022年9月23日 20時) (レス) @page50 id: 08dad0f4f2 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - 夢主さん・・・・頑張れ骨があったら拾っときます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page41 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ツルツルピッカーん!!労宮を押すと確かに痛い (2022年8月22日 5時) (レス) @page37 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
ラウル(プロフ) - 夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人さん» 色々と嬉しくて禿げます(?) (2022年8月21日 15時) (レス) @page36 id: cb2141a780 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ラウルさん作品とか関係ない、やりたきゃやればいいのです✨返信ミスではありませんよウフフ♥ (2022年8月21日 8時) (レス) id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2022年8月5日 18時