吸血鬼とモブJK【ジョジョの奇妙な冒険】

ハヤブサの彼 ページ41

『うわっ！』


ギィィっと気味の悪い音がして突然、ゆっくり扉が開かれた。


『お、お邪魔します……』



Aは導かれるように、その門をくぐって館に入った。


そしてすぐに彼女の目の前に広がるのは、石と木々の配置が美しい立派な庭だった。


まさか、この館に吸血鬼が住んでいるとは思えないほどの明朗さ。



腕のいい庭師もいるんだなとAはぼんやりと考える。


『えっと、玄関は…』



Aはやっと本題に入ったかのようにパッと庭から目を逸らし、館をぐるっと見渡した。


すると、すぐに玄関らしき場所が1つ見えた。


この敷石を辿っていくと、玄関は近かった。

だが、1つ問題が。



『なんだ、あの鳥？』


その玄関の前に大きな鳥が、まるで番犬…いや番鳥のように厳たる様子で佇んでいた。



鷲や鷹やトンビ…ハヤブサなどといった詳しい猛禽類の区別は彼女には出来ないがパッと見、強そうなのだ。



その鳥は首に赤いスカーフを巻き、頭には飾り羽の付いた目隠しをゴーグルのように付けている。



そして玄関に向かってくるAに、威嚇するように羽を広げ睨みをきかせていた。



きっと、DIOが飼っている鳥なのだろうとAはうっすらと感じていた。



『私、泥棒とかじゃなよ〜。ちょっとそこ通してくれないかな』



「………！」



『うわ、こっち来た…！』


鳥はバサッと飛び立つと、Aに向かって猛突進。


近づいてくるAに鳥は彼女を敵と認識したのだろう。


運良くAは避けられたものの、あの鳥の前足の鋭い爪に引っかかってたりしたらタダじゃ済まなそうだ。




『待ってよ、鳥ちゃん泥棒じゃないよ？私はDIOの、えっと知り合い……じゃなくて"友達"なんよ！』


「………」



この鳥何処と無く人の言葉は理解してそうだが、Aの気持ちは全く理解していなかった。


彼女の言葉をフル無視して、再び猛突進。


『うわぁ！もう、この子私の事殺す気？』



頭を抱えながら必死に鳥の攻撃を躱す。


こんな、いたちごっこのような事を続けていてはラチがあかない。


鳥も勿論Aもお互いにそう思っていた。


「……！」


『…え、氷？』



鳥は手っ取り早くこの目の前にいる敵を始末することにしたらしい。



自分のスタンド…氷と冷気を操り攻撃するスタンドを出して巨大な氷柱を作り出したのだ。



あれは当たったら、いやかすりでもしたら絶対に重症または死亡案件だ。



『なんてこったい…！』

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