禁酒 ページ30
『ねぇ、DIO…お前何歳？』
｢ざっと120歳くらいだ｣
『わぁ、それはすごいや！』
真面目に答えろ。
DIOのやつ食事はしなかったものの、ちゃっかりお酒は頼んで飲んでいるのだ。
ここエジプトはイスラム教徒が多く、人口の大半は宗教上の理由で飲酒が出来ない。
が、この店では他の国から来た観光客も多いため珍しくお酒を取り扱っていた。
エジプトの法律では、一応21歳にならないと飲酒は禁止されているが
DIOのやつは一体何歳なんだ？
パッと見、20歳前後くらいに見えるけど。
店の人には年齢確認されなかったものの、万が一があったとき警察沙汰になるから嫌なんだけど。
『まぁ、いいや…120歳なら年確できるもの持っとけよな。私はトイレ行ってくるから暴れないでね』
そう言って、ジト目でDIOを睨むと私は席を立った。
DIOは少し目を離した隙に何をしでかすか分からない。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『うわっ、すみません。大丈夫ですか？』
トイレから出て席へ戻ろうとすると、角で男の人とぶつかった。
相手は肩を抑えて物凄く痛そうにしている。
｢痛っー、これ脱臼したわ…！｣
『え、ガチすか？！』
慌ててその男の人に近づくと、アルコールの独特の匂いが鼻を刺した。
え、もしかして酔っ払ってる？
脱臼って流石に大袈裟じゃね？
ぶつかったと言っても、本当にお互い肩にかすった程度なのだ。
まぁ、痛みは人それぞれだと思うから決めつけはくないけれども……！
これはちょっと怪しいっすわ。
｢ねぇ、どうしてくれるわけ？これ完全に脱臼してんだけどー。勿論、慰謝料とか払ってくれるよね？｣
『いや、演出がベタだな』
もう、こういうのって完全に当たり屋じゃねぇか。
うわぁ、ジャパニーズだからって完全に舐められてますやん。
これは、いただけないですな！
『脱臼にしては、お兄さんやたら元気そうですね』
わざとカマをかけるように、男の人の肩にポンと手を置く。
『痛くないんですか？』
そう言ってニコリと笑うと、男の人は突然攻撃的な目付きになった。
これで諦めて帰ってくれればいいものの
この男、見かけによらずかなりこういう事にやり慣れているワルだったのだ。
『………』
突然、形相を変えると私の肩に腕を回し…そして言ってきた。
｢日本人の嬢ちゃんよぉ、こういう事は素直に騙されてた方がいいぜ。じゃないと、もっと酷い事になっちまうよ？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わるび - 読み始めました。ふたりも見守るキャラクター達も凄く可愛らしくて、家族が居るのに笑ってしまいました( *´艸｀)素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます！ほのぼのと癒されました。 (2022年9月23日 20時) (
レス) @page50 id: 08dad0f4f2 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - 夢主さん・・・・頑張れ骨があったら拾っときます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page41 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ツルツルピッカーん!!労宮を押すと確かに痛い (2022年8月22日 5時) (レス) @page37 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
ﾗｳﾙ(プロフ) - 夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人さん» 色々と嬉しくて禿げます（？） (2022年8月21日 15時) (レス) @page36 id: cb2141a780 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ﾗｳﾙさん作品とか関係ない、やりたきゃやればいいのです✨返信ミスではありませんよｳﾌﾌ♥ (2022年8月21日 8時) (レス) id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光と慈雨
| 作者ホームページ：http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2022年8月5日 18時
