吸血鬼とモブJK【ジョジョの奇妙な冒険】

黄色い彼 ページ3

『何なんだ、これは夢なのか？』


学校の帰り道に転んで、気づいたら知らない土地で…


極めつけにあのさっきのインド人っぽい人。


どっかで見たことあるんだよな。


何だろう既視感はあるのよ。



思い出せそうで思い出せない、記憶の傍らにいる感じ。



『あれ、てかあの人何か言ってなかったっけ？』


確か"今すぐそこから離れろ"みたいな……



「君、そこで何をしているのかな」


『わぉ』



さっきまで絶対に私の後ろ"人"の気配なんて感じなかったのに、突然私の背後から人らしき声が。


思わずゾッとして、冷や汗が垂れる。


喉元に刃の先でも向けられたような気分だ。


私は棒立ち状態のまま黙りこくっていた。




「質問に答えてくれないか？君はそこで一体何をしているんだ？」


『え、えっと…散歩、ですかね？』


おいおい、なんちゅう世界線だ。


JAPANにいて、出会ったJKにいきなり尋問するとかなかったよ？


きっと私の背後にいる奴は変人に違いない。



「…何故、疑問形なんだ？」


『あはは、何ででしょうか？』


そう言って、私は愛想笑いの出来損ないのようなものを浮かべる。


自分の頬が引きつっているのが嫌でも分かった。



いや、コレ完全に怪しまれてるやつ〜。


さっきの逃げていった男の人と仲間だと思われてるんかな？


勘弁してくれよ。



「女の子がこんな時間に散歩か？」


『まぁ、気晴らしに？』


「さっきから君、何故疑問形なんだ？」


『いや、あなたも初対面の私に何故そんなに質問を？』


「……」


途端、凍ったような沈黙がその場に流れた。


え、いきなり黙り込むのやめて？


何かめっちゃ気まずいのだが。



『痛てて……あれ？何か、いきなりお腹が痛くなってきたなぁ』


「……」


『痛い、痛いよぉママー！ちょっとすいません、お腹の調子が悪いので帰ります！』



その場にいても立っても居られず、私は嘘くさい芝居で誤魔化して背後にいる男からふらっと離れた。


そしてある程度距離が出来たところで、その男から逃げるように走り去ろうとした時だった。



「待て」


見事に、腕を掴まれてしまった。


あぁ、もう私が何したって言うんだよぉ！



犬の躾にしても、こんな粛然かつ感情のこもった"待て"なんて聞いたことねぇぞ。



『いや、マジでお腹痛いん……で、』


そいつ腕を振り払おうとして、そして私は初めてその"男"の顔を見た。



『え、"でぃお"？』


「やはり貴様、黒だったか...」

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