吸血鬼とは。 ページ20
『………』
屋敷に着いたってのに中々、門の内側へ行かないDIOを見てAは疑問に思っていた。
"何故、コイツは屋敷の中に入らないのか?"と。
普通、身の安全を確保するために一刻も早く室内に入るはずだが、DIOは一向に動こうとしないのだ。
それも屋敷に着いた途端、何かを安住したように自身のサングラスをいじったりと余裕すら感じられる。
全身をUVカットの衣類で覆われているからって、少し気持ちが緩みすぎではないか。
Aは目の前にいるDIOを見てそう思っていた。
「ところでA、貴様……貧乏人のようだな」
『んあ?いきなり何……まぁ、その通りですけども』
「フン、仕方ない。このDIOが貴様を金で雇ってやろうじゃあないか」
『………え?』
ここでAは先程覚えた違和感の正体が分かった。
"DIOが中々、屋敷に入らなかったのは私にこれを言うためであって、本当は日光に耐性があるのに、私をこの屋敷まで連れてくるために演技をしていたのではないか"
1つの疑心がどんどん膨らんでいく。
"確かにここまで私を連れてくれば、スタンドを使わなくとも何かしらの手段で女1人くらい数メートル先の屋敷に放り込むくらい余裕だ"
『本当にせこいのはどちらで?朝日が昇るギリギリまで私の家に居たのわざとだろ…!』
「ほぅ、気づいていたのか…見かけによらず勘が鋭い奴め」
『うわぁっ、最低だ』
Aは苦虫を噛み潰したように顔を歪ませて、DIOに侮蔑の視線を送った。
ヤバい奴だと元々認識していたが、それを上回るイカレ具合。
ここまでくると逆に尊敬してしまうものだった。
「貴様のスタンドはこのDIOのために有効利用できるんだぞ?……光栄なことだとは思わないのか?」
『いたって真面目に言っているのがまた恐ろしいな。どうせ太陽アレルギーも嘘なんでしょ?』
「貴様、何を言ってる。100年ほど前からこのDIOはとっくに人間をやめて吸血鬼だが?」
『厨二病まで患っているのか!?』
Aは再び顔を歪ませると、屋敷の側から離れて日向に出た。
そして、DIOに背を向けると全力で走ったのだ。
『いくら貰おうが君の元では働けないよ!でもお金は絶対にピッタリ返して!あ、手渡しはNGで』
吸血鬼であるDIOはギラギラと直射日光が照らす道を走っているAを追いかけることは出来なかった。
部下のヴァニラを手配しようと考えたが、少し悩んでそれは止めたらしい。
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わるび - 読み始めました。ふたりも見守るキャラクター達も凄く可愛らしくて、家族が居るのに笑ってしまいました( *´艸`)素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます!ほのぼのと癒されました。 (2022年9月23日 20時) (レス) @page50 id: 08dad0f4f2 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - 夢主さん・・・・頑張れ骨があったら拾っときます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page41 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ツルツルピッカーん!!労宮を押すと確かに痛い (2022年8月22日 5時) (レス) @page37 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
ラウル(プロフ) - 夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人さん» 色々と嬉しくて禿げます(?) (2022年8月21日 15時) (レス) @page36 id: cb2141a780 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ラウルさん作品とか関係ない、やりたきゃやればいいのです✨返信ミスではありませんよウフフ♥ (2022年8月21日 8時) (レス) id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2022年8月5日 18時