雪兎【水草粥】 ページ6
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「皆さん、今日の業務は以上です。お疲れ様でした。後の時間はゆっくり休んで下さいね。」
慈愛に満ちた口ぶりで、きれいに並んでる使用人達にそう告げる。
使用人達は、「お疲れ様でした!失礼します!」と見事に揃って言い、列を乱さぬように部屋を出て行った。
「………はぁあぁぁぁあ〜〜〜……」
誰もいなくなったその部屋で大きすぎる溜め息をついた後、俺は使用人集会室の電気を消した。
季節はもうすっかり冬。窓の外には白い雪がこんこんと降り積もっている。
月国ももう冬か……と窓からの冷気をぼんやり感じながら廊下を歩く。
その足が向かうのは俺の世界一大切な場所だ。
そこに行けるから、執事と言う過酷な仕事が続けられると言っても過言ではない。
暫く歩くとその場所の入り口につく。
なるべく音を出さないようにドアを開けると、そいつらは「遅かったね、待ってたよ!」と言うように俺に近づいてきた。
「よ、ミル、カフェ、ビタ!遅くなってごめんな?」
迎えてくれたのは白、茶色、黒の三びきの兎たち。そして、
「おー白兎!ほんとに遅かったね、お疲れ様。」
「るな!来てたのか。」
この月国のお姫様、天巡るな。
俺らは兎好き同盟の仲間だ。
普段は猫を被っている俺が、唯一素でいられる場所、そして相手。
それがこの小さな中庭と、兎とるななのだ。
そういえば、こいつらはもう毛が生え変わる時期だな…抜け毛食わないかな?と、
少し心配もしつつ、兎たちが雪の上ではしゃぐのを俺は親のように見守るのだった。
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水草粥(プロフ) - 更新しました〜! (2022年1月25日 23時) (レス) id: 3d1ca47ac7 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の猫耳パーカー後輩(プロフ) - 更新しました (2021年12月1日 23時) (レス) id: b5e92b83c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水宮星の参加者の皆様 x他5人 | 作者ホームページ:ご参加ありがとうございます!
作成日時:2021年11月24日 13時