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「Aさん!この前頂いたデータ、とてもよく仕上がってました!」
「ありがとう〜!次も頑張ります!」
「Aさんにお願いすると本当に仕事早くて丁寧で、天職ですよ!ここ!」
「あはは、そういって辞めさせまいと追い込むのはやめてー」
「辞める気あるんですか?!」
「今のところこれっぽっちもござーません」
ymmr「福良さーん、この前送って貰った記事にする文章、ちょいちょいおかしな所ありましたよ〜?」
fkr「えっ、ごめん。どこだった?」
ymmr「珍しく結構添削必要だったんでまとめて送りますよー。体調悪いです?」
fkr「ごめん、助かる。体調は大丈夫。今日もポテチ食べてきた」
ymmr「それで大丈夫な意味が分かんない」
チラリ。と彩加ちゃんと拳くんの方へ視線を向けた。珍しく拳くんが彩加ちゃんにダメ出しされてる。……もしかして、拳くんがミスしてるところを見るの、初めてでは?
もちろん人間誰しも、ミスの一つや二つすることだってあるだろう。完璧だなんて思っていなかったけど見たこと無かった、拳くんがあんなにミスしてるところ。私の前では見せないようにしてたとか?一応上司だし…部下の前で晒したくはないね。
……変だなぁ。なんかモヤモヤする。変なものでも食べたっけ。
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「うあ〜今日も野菜だらけ…」
「文句言うなら取り上げるよー?」
「わー!ごめんごめん!いただきます!」
「はい、どうぞ」
お昼の時間。いつも一口目を運ぶのに時間がかかるけど、入れてしまえば最後まできちんとたいらげてくれる。まあ、最初の一歩って何でも怖いよね。
「はむ……っん!おいしい!これ、人参といんげんだよね?」
「そうだよ、豚肉で巻いて照り焼きにしてあるの。食べやすいでしょ?」
「これなら俺いくらでも食べられるかも!」
「良かったね、拳くん」
今日のおかずは彼の中で当たりであったらしい。ふむふむ、照り焼きなら比較的食べやすいか。
「いつもありがとう、A」
「ん?どうしたの改まって」
「だって毎日大変でしょ?なんかお礼しないとと思って」
「そんなお礼だなんて!こっちだっていつも私の仕事の面倒見てくれるからおあいこおあいこ」
「それはさ、俺の仕事だし。だからさ、今度の休みにさ、」
一緒に行かない?
そう言われて差し出されたのは、2枚の水族館チケット。ここのところ仕事仕事だったし、何より拳くんと2人でお出かけなんて久しぶり過ぎて、二つ返事でそのチケットを受け取った。
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作者名:ひなた | 作成日時:2021年9月19日 10時