【妖の森】カルミア、僕が嘘をついた日。【派生作品】 (ページ8)

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３月３０日～4月1日ページ8

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妹が子を身籠ったそうです。
悔しい。
男も捕まえ、今度は素敵な家庭を築くですって。
独り身の姉は妬ましいですよ。

ぱら。

妹が家に来ました。
旦那は何故か来ませんでしたけど、ね。

ぱら。

妹が産気付きました。
なんだかあちこち痛むらしいです。
子を産んだら帰りそうなので
どうにか引き留めなければなりません。

ぱらら。

妹、死んでしまいました。原因は分かりませんがきっと内臓に傷がいってしまったのでしょう。
子供にちょっとついてますもの。

ここで少し手が震えてしまいました。
なんだか近いものを感じるのです。

子供もでき損ないだわね。

ぱら。

耳に何か固いものがついてます。
尖ってて危ないし削ることにしました。
多分これが原因であの子は死んだんでしょうが、
子に殺される親というのも中々に惨めですね。

無意識に僕は耳を撫でました。ざらざらしています。
僕の耳も調子がいいときは尖っていて、よくおかあさまは｢危ないわ｣と怖がっていたものです＿＿
僕の兄弟が産まれたときなのでしょうか、これは。
はたまた近い種族が。

まあ、琥珀ですわ。
虫が入っていないので高くはありませんけど、
まさか、置き土産？

子はうるさく、私の顔を引っ掻きましたけど。
耳が痛むのかもしれませんね。

ぱら。

この子を召し使いとして
使ってやろうではありませんか。
名前は産まれた日とかでいいかしらね。

急いで日付に目を走らせました。
まさか、まさか！！
ぼくのなまえは四月一日です。

しがつのついたち。
わたぬき。

あった。

しがつの、ついたち、でした。

僕の兄弟でも近い種族でもなんでもない。
僕のことです。この、｢でき損ない｣は。

おかあさまの妹はかあさまで。
かあさまの姉はおかあさまで。

僕は、僕が、かあさまを殺したのです。