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『……昨日の先生の留年って単語のせいで起きちまった。』
朝7時という私にしては珍しい早起きをして制服に着替える。
昨日帰ってきてからストレス発散で作ったマフィンを朝ご飯で1個頬張ってから残りのマフィンはラッピングして鞄の中へ突っ込む。
お昼に食べる予定。
…………いや、それにしても作り過ぎたわ。食べ切れるかな。
それから学校に行くのが嫌になる前に家を出た。
私偉くない？2日連続で学校に行くとかやば過ぎ。
─────────── ガラッ…
｢え？！帆導さん2日連続で登校とか珍しい！｣
『ん〜私もびっくり。』
｢どしたの？留年のピンチ？｣
『ピンポーン。正解した君にはこれをやるよ。』
｢え！？まじ？ラッキー！手作り？ありがとう！｣
多分有田って名前の女の子にマフィンを一つ渡す。
いつも色々話しかけてくれる善人な彼女は嬉しそうにマフィンを頬張って｢お店の味！めっちゃ美味しい！やばい！｣と大袈裟に喜んでくれた。
あげて良かった。
まあ、まだ困った事に残ってるんだけど。
それから昨日と同様に山中先生が教室に入ってきて、面倒い学校が始まった。
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『………お昼になったのは良いけど普通に食べたくね〜…。』
マフィンを見つめて頭を抱える。
普通に甘い物の気分じゃない上に、昨日も今日もマフィン。
何これ、修行？昨日の自分からの嫌がらせ？
何でこんなに作ったんだよ、自分。やばいだろ。
｢…………ねぇ。｣
『…………いらねぇよ、まじで…。』
｢ねぇってば。｣
『………なに？』
横から声がして最初は私じゃないと思って無視してたけど、二度目に呼ばれた時にチラッと横目で見るとバッチリ目が合ったので返事をする。
｢それ、あんたが作ったの？｣
悩みの種である私のマフィンを指さして聞いてくる彼。
『うん、そう。昨日の私からの試練なんだよ…腹立つ。』
｢いや、意味分かんないんだけど。｣
そう答えながらおにぎりに齧り付く彼をじーっと見つめて、私はある事を閃いた。
『……ねぇ、なんとか君。』
｢はぁ？もしかして、なんとか君って俺の事？あんた俺の事知らねぇの？｣
『今はそんな事どうでも良い。そのおにぎりとマフィン交換してくんない？』
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作者名：@羽黒 | 作成日時：2023年12月12日 1時
