Who will help me? (ページ9)

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「いや、ごめん。ごめんね。」

そう言って咳払いを一つ。

「なんでだろうね。なんか、Aさん見てたら

"助けなきゃ" みたいな… いや、初対面のただの

隣人にこんなに干渉されるなんてすごい嫌だと思うけど

放っておけない、って思っちゃって、さ…｣

松村さんは視線を巡らせながらコーヒーを啜った。

もしかして、人見知りなのかな。

それなのに本能的な理由だけで私と接してくれるなんて。

『そう、だったんですね…』

私、そんなに生きにくそうでしたか？と笑えば

少なくとも幸せそうではなかったかな、と意地悪く笑い返してきた。

「…聞いてもいい？」

『はい。大丈夫です』

松村さんは足を崩してソファの上で私に向き直る。

「昨日の男の人は、彼氏？」

『昨日捨てられましたけどね。付き合って、って言われて…特に断る理由が無かったのでOKしました。』

淡々と告げると「え、なにその理由」と目を見開いた。

『私、"好き" とか分からないんですよ…

ちょっと過去にトラウマがあって。

だから来る者拒まずに受け入れて

いつもあんな感じでフラれてます』

あははと自嘲気味に笑う。

「そっ、か…」

『あっ、別に重たい話でもないので気にしなくて大丈夫ですからね？』

慌てて弁解すると突然くしゃりと頭を撫でられた。

パッと顔を上げると、なにか痛みを耐えているような松村さんの顔。

…松村さんがそんな顔する必要ないのに。

どこまで心優しい人なんだろう。

私には、分かんないよ。

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