Who will help me? (ページ6)

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『たつやくん、今日もお仕事だったの？』

「そー。マジで疲れた～」

そう言いつつ私が前に好きだと言ったこの店で2番目に高いボトルを入れてくれる。

いつもそう。本当は1番高いボトルを入れてもらえると有難いんだけどあんまり強請ってると良くないかなって。

それに2番目の方がなぜか美味しいんだよね。

たつやくんは学校で教師をしているらしい。

私は専門学校に通う学生だからなんか変な感じ。

『そういえば、たつやくんてどんな学校の教師なの？』

小学校？中学校？高校？

そう首を傾げるとははっと笑ってタバコを揺らした。

「まだ気付かない？」

『え？』

「俺、ナナちゃんの学校の教師だけど。」

え、？まってまって。え？

『ウソでしょ？』

「ほんと。」

あそこでしょ、と最寄り駅を言い当てるたつやくん。

どうやら彼はファッション専攻の先生らしい。

私はメイクアップとヘアメイクなのでフロアが違う。

えっえっ、と狼狽える私の前でケラケラと笑いながらグラスを傾ける。

「そりゃフロア違うから分からないよね～」

『え、たつやくんの上の名前なに？』

「んー、"深澤" だよ」

深澤…ふかざわ… あ！

あの、深澤先生か。

『分かったかも。他学科にまで面白くてかっこいい先生って有名だよ』

「まじ？よっしゃ！」

喜んでるはずなのにどこか棒読み。

嬉しくないの？と聞けば

ナナちゃんは俺のこと知らなかったでしょ、と唇を尖らせる。

『じゃあこれから気まずくなるね、うちら。』

「えぇ！ちょっと待ってよ！それはやだ！」

あたふたするたつやくんに今度は私が笑う番。

『自分の勤める学校の生徒に貢ぐってどんな気持ち？』

「ナナちゃんを生徒だと認識したことはない！」

『なにそれ～私も生徒だし！』

2人で顔を見合わせて笑った。

たつやくんが自分の学校の先生だって知って驚いたけどやっぱりたつやくんとは話しやすい。

結局、たつやくんは締めまで居てくれた。

給料を受け取って外に出ると相変わらず騒がしい大通り。

煩いネオンを横目に道路を目指して歩みを進めた。

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