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手から拾った鍵で南京錠を開け、扉が開く。
不気味な階段。明かりはあるけど少なくて、暗くて。
こんなに窓は多いのに開けないようになっている。
すぐそこに外が見えるのに、外には出られない絶望感。
ポラロイドを持つ片手と、ミンギュの服を掴んだ片手で手いっぱいの私はキョロキョロ進むしか無かった。
「こういうゲームってさ、とりあえず全部行けるところ行ってみて、ヒントを消化するのが定説だよね」
「…順々に並べてあるよ」
「キャビネット、鍵、102号室、おじさん…」
脚の長いミンギュ、もっと早く歩けるはずなのに。
私にときどき振り向いたり、ゆっくり歩いてくれている。
そのたびに、"Aは無理しないで、でもなにか思ったら言ってね"と笑うミンギュの、優しさだけが頼りだった。
一つ下のフロアで、キャビネット、鍵、102号室、おじさんを確認して、ミンギュはそこにヒントを置いて行く。
消化する、とはこういうことみたい。
そして最下層のフロアに降りた途端、私は動けなくなった。
血まみれの部屋。
掛けられたハシゴの下の血溜まり。
こういうグロテスクなものが大の苦手で、血なんてもっと無理だった。
「やだ…っ」
「うわあ…」
「ミンギュ〜…」
「A目瞑って、ここ通るときは手繋いで行こう」
「怖い…」
「ゆっくり着いてきてね、すべらないように」
ぎゅっと目を瞑って、あったかいミンギュの手に着いていく。
お、と少し喜んだミンギュの声で目を開けると、脱出口のポラロイドど一致する扉が目に入った。
「あとでここから出よう、大丈夫。出口がわかったから」
「ちょっとほっとした…」
「ね。階段まで戻ろう」
血まみれの部屋を通り、階段を挟んだもう片方に、暗い部屋があった。
その部屋に足を踏み入れたミンギュが、止まる。
「…Aは見ちゃだめ。漁るな、の部屋だ」
「え…」
「ポラロイドだけ置こう、あっち向いてて」
「階段に居るね、…こわい」
「うん、待っててね」
ポラロイドを渡して階段で待つ私に、怖い〜！と笑いながら戻ったミンギュ。
頭をくしゃっと撫でるミンギュに、私は落ち着くことが出来て。
階段を昇る大きなミンギュの背中が、やけに安心した。
「下はもう全部行ったし、あとはここのフロアだけだよ」
「わあポラロイド、あと4枚だよ」
階段の反対側、実験器具の並ぶデスクにたくさんのレポート。
人体実験、クローン…。
ここにヒントがあるはずだ。
「私も、役に立たなきゃ…」
→
．
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KEY(プロフ) - いつもありがとうございます🙇いつも最高です！ (2022年10月14日 22時) (
レス) @page43 id: e6e7d876c8 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごくキュンキュンします、何回も読み返してます😭 (2022年9月27日 10時) (レス) @page41 id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
名無し54892号(プロフ) - 作者様のお話本当に大好きなんです…！とってもキュンキュンして読んでるだけでも胸が苦しくなってくるような、本当に素敵な作品だと思います🥲何回も読み返して更新されてるかな？と見に来てしまっています笑決して無理はなさらず続きが読めるのを心待ちにしてます！ (2022年9月4日 15時) (レス) id: 1445cdbb12 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！！これからも無理のない範囲で良いので更新して頂けると嬉しいです私の生活の一部なんです🥲💞これからも頑張ってください！！ (2022年8月20日 19時) (レス) @page38 id: 0a0a63f7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - 作者様の作品とても大好きで何回も読み返させていただいています！ これからも無理のないように更新していただけると幸いです！これからも頑張ってください！ (2022年8月20日 16時) (レス) id: cc4c34b3df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2021年8月21日 4時
