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「…あ、あの、ドギョム先輩」
「はい？僕ですか？」
「…つかぬ事をお聞きしますが、」
ああ、この子なんだ。
ヒョンたちが言ってた、Aに真っ直ぐに告白紛いのことをした練習生って。勇気があるなあ、僕なら絶対にできない。ハンサムだし好青年だし、体格もいいし人気のある子なんだ。順位も、1桁なんてすごいなあ。
でも僕がここに迎えに何度も来ている役目は、きちんと果たさなきゃいけないんだよね。じゃなきゃヒョンたちが僕に期待してくれているのを裏切ることになってしまうから。
「…A先生って、恋人、たぶん居ないですよね」
「…ちょっと、ヨハナ、」
「ああ、…うん、居ないです。Aは、僕たちとデビューするときにそういうことも全て覚悟してくれたから、恋愛はしてないと思います」
「……先輩たちは、好きにならないんですか」
「ヨハナ、いい加減にしろ」
「はは、うーん…直球だなあ」
ヨハンくんを制して、ハンスンウさんが僕に頭を下げて謝罪してくれる。僕もそんな直球にお互い聞きあったことないしな〜、なんて答えたらいいんだろう。
皆の気持ちをちゃんと聞いたことは無いけど、僕はこう思う。
きっと僕以外の皆も同じようなこと、ずっと思って一緒に居るんだよね。じゃなきゃ、我慢なんか出来るわけない。
「…A、中学を卒業してからすぐこっちに来て練習生になったんです。当時Aしか日本人の子はいなかったから女の子たちとうまく馴染めなくて、ミンギュ、スングァン、ディノ…あと僕とか、ウジヒョンとかともう、ずっと長く一緒に居るんです」
「…はい」
「そのときから、ずっと今まで。Aは恋愛することよりも僕らと一緒に居たいと思ってくれた。僕たちもそれを知ってるから、Aは特別に、大切に守らないといけなくて」
恋愛って、お互いに傷つけることも辛いことも多いでしょ？別れたら元通り、なんて簡単に出来るわけない。
好きであれば好きだったほど、絶対にそんな綺麗に無かったことになんて出来ないよね。
真っ直ぐヨハンくんの目を見据えたら、彼は少し怖気付いたような表情をした。僕、そんなに怖い顔してるかな。笑ってるつもりなんだけどなあ。
「Aだけは、ダメ」
「…、っ」
「僕たち皆、そう思ってます」
ドギョム〜！と車椅子をころころしながら呼ぶAの声。はーい！と返事をして、ヨハンくんと、他にそこに居た練習生たち皆に頭を下げる。
僕がここに来た役目、少しは果たせたかな。
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＊ゆいな＊(プロフ) - 更新待ってました（ ; ; ）最高です！今まで読んできたお話の中で一番大好きで何度も何度も読み返しました！！更新もちゅんちゃんさんのペースで無理しないで下さいね(*^^*)いつも応援してます！大好きです！ (2021年6月12日 11時) (
レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
フィガロ - 更新はもうしれないのでしょうか（ ; ; ）？ 突然更新が途切れてしまったので心配です…お知らせなどでもいいので何か報告待ってます(^^) お話の内容とっても好きです！更新も楽しみにしていますm(_ _)m (2021年5月19日 0時) (レス) id: 2c85f96aa8 (このIDを非表示/違反報告)
＊ゆいな＊(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます！！！！ハニオッパきゅんきゅんしました！！ (2021年3月30日 20時) (レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 68c62b5d72 (このIDを非表示/違反報告)
さか(プロフ) - ふわふわした話だけじゃなくて、少し辛いお話が混ざってるのがとても好きです。でも、あまり過度ではなく直接的な痛い表現などは避けて書かれているのかなと伺えるので読んでいても辛い気持ちにはなりません。程よく読みやすくとても好きなお話です。 (2021年2月13日 6時) (レス) id: 4188621a8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2020年11月27日 8時
