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あれは、中学一年生のときだと思う。
最初は、靴を隠されることから始まった。
探すのに少し時間がかかったから、水泳とダンスがない日で良かったと思う。
一回目は傘立てに乱雑に置かれていて、次は教室のベランダで、その次はゴミ箱に入っていた、私の靴。
誰がどうして、なにを伝えるためにこんなことをしてるのか、私にはわからなかった。
…私にこんなことして、何が楽しいんだろう。
皆が部活で友達を作っていたけど、私は週2で活動する園芸部に入部した。習っていた水泳とダンスを一生懸命やるあまり、馴染めない私も悪かったのかもしれない。
早めに登校して花壇の水やり。それを終えて教室に戻ると、ゴミ箱に体育着が捨てられている。放課後そのまま水泳に行く日には、ウェアが入った袋がゴミ箱にある。
そんな日々が少し続いて、私の心は次第に辛くなっていった。でも絶対に辛いなんて、悲しいなんて、顔に出したくないと我慢していた。
「A、おかえり。今日も学校、どうだった？」
「…うん、普通だったよ」
「そっか」
お兄ちゃんが迎えに来てくれた車の中で、声を殺して隠れて泣いた。たった、1度だけ。お兄ちゃんや家族には、絶対にいじめを受けたり嫌がらせを受けているとは言えなかった。
がっかりさせたくなかった。心配をかけたくなかった。
私が一日も休まず先生にも言わず、我慢し続けたある日。
話したことのないクラスメイトの女の子たちが、帰る準備をしていた私を取り囲んで話し始めた。
『桜木さん、いじめられてるのによく来れるよね』
「…え？」
私、誰にも気づかれないようにしていたのに。どうして知ってるの？
『桜木さん、なんでも出来て少し綺麗だからって見下してない？いつも余裕ぶってて。部活も入っただけなくせに、いつも車で男に迎えに来てもらってるし。なんか調子乗ってない？』
「…習い事の送り迎えにお兄ちゃんが来てくれてるだけだよ。それに、見下してなんかない」
『は？どうせ自分は違う次元とか思ってんでしょ』
『いじめられても何ともない、みたいな顔してんのも無理』
「…どうしてそんなに私にかまうの」
『別に？ただうちらは桜木さんがなんかうざくて、ムカついて、暇だし、嫌いだから。それだけ』
要領が良いだけで、別になんでもできるわけでも頭がいいわけでもないのに。上手くいかないことばかりなのに。
なんでも出来ると思ったことも、この嫌がらせがなんともないなんて思ったことも、ないのに。
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＊ゆいな＊(プロフ) - 更新待ってました（ ; ; ）最高です！今まで読んできたお話の中で一番大好きで何度も何度も読み返しました！！更新もちゅんちゃんさんのペースで無理しないで下さいね(*^^*)いつも応援してます！大好きです！ (2021年6月12日 11時) (
レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
フィガロ - 更新はもうしれないのでしょうか（ ; ; ）？ 突然更新が途切れてしまったので心配です…お知らせなどでもいいので何か報告待ってます(^^) お話の内容とっても好きです！更新も楽しみにしていますm(_ _)m (2021年5月19日 0時) (レス) id: 2c85f96aa8 (このIDを非表示/違反報告)
＊ゆいな＊(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます！！！！ハニオッパきゅんきゅんしました！！ (2021年3月30日 20時) (レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 68c62b5d72 (このIDを非表示/違反報告)
さか(プロフ) - ふわふわした話だけじゃなくて、少し辛いお話が混ざってるのがとても好きです。でも、あまり過度ではなく直接的な痛い表現などは避けて書かれているのかなと伺えるので読んでいても辛い気持ちにはなりません。程よく読みやすくとても好きなお話です。 (2021年2月13日 6時) (レス) id: 4188621a8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2020年11月27日 8時
