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「ちょあぁそれ俺の！！」
「てんちょー！これめちゃくちゃ美味しいのでお店で出しちゃいましょー！よしもう一個いっただっきまーす」
「アカーーーーーン！！！！！」
口いっぱいに頬張って叙爵すると、向井くんは半泣きで手を伸ばしていた。
「まだ一口も食べてへんやん俺…」
「すごい美味しいよ向井くん！ありがとう！！」
「次の試作品の時はA先輩の分も食ったるからな！！」
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次の日の放課後。
私は図書室に来ていた。
本なんて興味のない私がここに来た理由は。
「あ、ホントにいた」
「おー」
軽い態度で挨拶をしてくれたのは、電車で会った宮舘くんの幼馴染の渡辺くんだ。
出入口付近のカウンターで、足を組みながら本を読んでいた。
「ここいいよ」と図書委員の領域に入ってきていいと、自分の隣の椅子を引いてくれた。
そして黄色の名札を渡される。
「これなに」
「それを付けると今なら図書委員になれるから。相談事でしょ？その前に前払いとして仕事手伝って」
名札には「図書委員」と書かれていて。
おいおい…と目で渡辺くんを見る。
まぁ仕方ないかと胸元につけ、大人しく彼の隣に座った。
「で、どうしたの？」
手元の本を見ながら彼はそっと聞いてきた。
渡された、貸し出された本の一覧表を見ながら答える。
「自縛から解き放たれました」
「…というと」
「変な男と別れました」
「へーそうきたか。で？それだけじゃないでしょ」
「あのー…さ」
走らせていた鉛筆を置く。
それに気づいた渡辺くんも本から顔を上げてくれて。
「私って、最低な女かな」
困ったように眉を八の字にし笑えば、渡辺くんは「は？」と言った。
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作者名：ガム | 作成日時：2022年9月25日 15時
