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「わ、別れた！！？？」
「私のクラスメイトと同じ反応するね、向井くん」
いつものバイト先の休憩室で、向井くんに報告をした。
別れたことを伝えると、深澤くんと同じ反応をした向井くん。
まぁそんなことより、と目の前のお皿を見る。
今日の試作品はバナナのシュークリームだ。
あ、悠先輩が好きなバナナだー。と思いながら思いっきりシュークリームにフォークを刺す。
「あ、あのお嬢様さん、シュークリームは手で持って食べるものであってフォークはいらないかと」
「え？何か言いました？」
「なんも言うてません、すいません」
「うっわ」と引き気味で声を漏らした向井くんなんて気にせず、ガブリとシュークリームにかぶりつく。
「んんん美味しい…。やっぱりスイーツは心を癒してくれるね〜」
「せ、せやな…一口とかバケモンやないか」
「え？また何か言いました？」
「なんも言うてません、すいません」
口の端についたクリームをぺろりと舐め、完食。
手を合わせごちそうさまでしたと頭を下げれば、向井くんは苦笑いした。
「しかしえらい急に別れましたね。何があってん」
「浮気されてました」
「あー…ごめん、聞いてもうた」
「気にしないで」
コトリとフォークを置く。
これは、３年の悠先輩と仲が良かった先輩に聞いた話だ。
悠先輩、実は物凄くプレイボーイだったとか。
私が見た浮気相手の他にもいたらしく、かなりの女の人と関係を持っていたらしい。
けど一番長く付き合っていたのは私で。
理由は顔がいいから、と。
ほかの先輩によく自慢していたのはそういう理由だったのか。
と合点がいったが気に食わない。
最後の最後までクズだと思いながらその話を聞いていた。
「まーA先輩可愛ええもんな。そりゃ彼女にしたなるやろ」
ポツポツと理由を話せばそんなことを言い出す向井くん。
ちょっとイラッときたのでまだ手をつけてない向井くんのシュークリームを奪い取った。
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作者名：ガム | 作成日時：2022年9月25日 15時
