第89話 現役女子高生の喜々基準 ページ3
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知人宅に着いたは良いものの、その辺り一帯は乾いた空気が肌を刺すように、酷く張り詰めていて。
喪服を身に包む人々が皆揃って中に入って行く様から葬式が執り行われているのだと察した。
新田「__参ったっス。他の三人と同じ死に方っス」
予期せぬ事態に戸惑う新田さんが話を伺いに行った所この葬式は話を聞く予定だった知人の方のもので、三人同様、玄関の前で殺されてしまったらしい。
他三人と違いこの方は実家暮らしだが、以前から帰宅時に"鍵が開いてるのにドアが開かない"と家族に言っていたとのことで、状況的には三人と合致していた。
新田「ご両親も三人との関係はよく知らないって……あ〜唯一の手掛かりがぁ〜…」
虎杖「ドンマイ!!この中学に何かあるって!!」
落ち込む新田さんと共に今度は埼玉の浦見東中学へ。
残された手掛かりはもう此処しか無いので何が何でも事件の糸口を見つけねばと気合を入れていると、校門を潜って数十秒。突っ張りのような髪型で煙草を吸う非行少年二人組を発見。
釘崎「おっ、分かりやすいのがいるわね。ブン殴って更生させましょ」
虎杖「なんで?」
「丁度良かった、今月金欠でピンチだったんだよね」
虎杖「カツアゲしようとすんな!」
"面白いもの見つけた"というような表情で口に弧を描く野薔薇ちゃんが指差す悪ガキ二人に私も彼女と全く同じ感情を抱いていたので、腕を捲って向かおうとするも虎杖に止められ…渋々断念。
すると騒ぐ我々が目に付いたのか一瞬凄まれるも、コンマ以下の反射で途端に彼等の血の気が引いて「「おっ、お疲れ様です!!」」と身体を直角に曲げてお辞儀をされた。
釘崎「フッ、何よ"
「これだから才能は…」
虎杖「オーラってやつは隠しても滲み出るもんだからな…」
「「卒業ぶりですね伏黒さん!!」」
「「「……」」」
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作者名:柊ひな | 作成日時:2021年2月26日 21時