第33話 悲雨 ページ35
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宿儺「つまらんことに命を懸けたな。この小僧にそれ程の価値はないというのに」
何かを得るには、何かを捨てなくてはならない。
虎杖を助けるのに、私の命とあと何を捨てればいい?
虎杖が戻るまで後何分?それまでの時間を稼げるか?
__また、誰かに迷惑をかけるの?
…思考が纏まらない。駄目だ、余計な事まで考えてしまう。落ち着け、無策で突っ込んで勝てる相手ではない。
何か、何か…と打開案を模索していると、隣から刺すような空気と呪力を感じた。
見ると伏黒が立って構えており、策があるのだと思いそれに賭けようとしたのだが、何故か、妙に胸騒ぎがして、思わずそれを遮ってしまった。
驚いて私を見る伏黒と同じく自分のした事に自分自身で驚いてしまったけれど、それと同時に、別の意味で張り詰めていた空気が和らいだのを感じて、"戻ってきた"彼に静かに向き直る。
伏黒「…俺は、お前を助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。危険だとしても、お前のような善人が死ぬのを見たくなかった」
「…顔がタイプでもない人間を救ってあげる程、私はお人好しじゃないし、出来た人間じゃない。だからこれは我儘な感情論。でもそれでいいの」
伏黒「俺達は
私達の目の前に立つ彼を見て胸が苦しくなったのを感じたけれど、気づかないフリをして、目が合ったのでほんの少しだけ口角を上げて微笑み返す。
伏黒「だからお前を助けたことを、一度だって後悔したことはない」
虎杖「…そっか。伏黒も桜小路も釘崎も、五条先生…は心配いらねぇか」
綺麗な笑顔を浮かべた彼は、最期まで誰かの事を考えていて、今から向き合わなければいけない現実がどうもはっきりしなくてぼやけてしまう。
虎杖「長生きしろよ」
雨は、まだ止まない。
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ばる - えー覚えてくださってるんですか!ありがとうございます(^ ^*)少しでも作者さんの励みになっているなら嬉しい限りですよ(*´ω`*) (2020年7月28日 20時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» 見覚えのあるお名前と顔文字だと思ったらどちらも読んで頂いてるなんて…!!コメントとても嬉しいです!ありがとうございます。誠心誠意更新していくので宜しくお願いします! (2020年7月27日 17時) (レス) id: 619558bbc0 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 作者さんの別作品(銀/魂)も読ませていただいている者です。呪/術/廻/戦もすごく好きな漫画なので嬉しいです!どちらの作品も楽しみに待ってます(*^^*) (2020年7月26日 11時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2020年5月18日 23時