第百九十二訓 ページ6
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晴太「それ本当なの!?」
新八「店のお金にもちょいちょい手を出すような手クセの悪い人らしくって。遊女さん達の間では有名だったらしいよ」
晴太「なんだよそれ!心入れ替えてマジメに働いて金貯めたってのに…全部無駄だったのかよ!!」
新八くんが私の言葉に付け足して説明すると、頭を抱え悔しがる晴太くん。そんな晴太くんに新八くんが「ムダなんかじゃないよ」と優しい声を掛ける。
新八「僕らちゃんと見てたよ。スリなんかしてたら恥ずかしくてお母さんに会えないって一生懸命働く晴太くんのこと」
晴太「そんなもん何の意味があんだよ!!金がなきゃ…母ちゃんに会えないんだよ、何の意味もないんだよ!!」
膝に置く拳を震わせる姿に、この子の母に対する強い想いが伝わってきて、「意味ならあるよ」と微笑みかけた。
言葉の意味が分からないようで頭にハテナを浮かべる晴太くんに、新八くんと神楽ちゃんが立ち上がり、私に続く。
新八「これで堂々とお母さんに会いに行けるだろ」
神楽「元々母ちゃんに会うのにお金がいるなんておかしな話だったアル。会いたい時に会うのが親子アル」
「お登勢さんがそんな訳の分からないお金稼がせる為に晴太くんを働かせてたと思う?」
あんなに頑張って働いて、母親に会う為にした苦労を無駄にさせたくない。
私が言える事ではないが、誰かの為にこの子は変われた。そんな事、並大抵の覚悟で出来ることではない。
神楽「依頼金はしっかり万事屋が頂いたヨ」
晴太「…お、お前ら」
より一層目を丸くしたと思えば、金も無しに会うのは無理だと言い切る晴太くん。そもそも吉原一の花魁に金を払っただけで簡単に会える訳がないのだけれど。
___ふと、感じた視線。
職業病とも言える反射で見上げると、此方を見下ろす一人の女性が立っていた。
瞬間、視線が交わったと同時に大量のクナイが空気を裂くように飛んできて。晴太くんを腕を引き、守るように避ける。
晴太「あれは…あの傷は…」
神楽「誰アルか?」
晴太「…吉原と吉原の掟を犯す者を処断する自警団"百華"…その百華を率いる吉原最強の番人、死神太夫と恐れられる…」
クナイを払って再度見上げれば、いつの間にか人数が増え、晴太くんはガタガタと怯えてしまう始末。
彼女達が降りてくる間際、声を震わせながらも説明してくれた晴太くんのその先を紡ぐように、初めに目が合った彼女が口を開いた。
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時