第二百二十訓 ページ34
.
自ら手を下すまでもないと思われたのか、また壁に向かって投げ飛ばされた。
確かに投げてもいいから離せとは思った。思ったが、もう少し優しくしてくれても…何回も投げられ壁とぶつかって、身体中が痛い。
壁にぶつかった衝動で、先程抑えていた分吐き出すように口から血が出た。目元が酷く熱い。目からも血が出ているとしたら本気で焦ってもいいですか。
待て、ワンピースが終わるまでは死なない、つか死ねない。毒やめろ、頼むからワンピース終わるまで待って。誰か解毒…
知能が著しく低下した願い事も毒のせいにしていると、腹部に何かに刺されたような痛みが走った。
ゆっくりとそこに触れると、黄色い液体の入った注射が刺さっていた。瞬時にそれが先程願っていた解毒薬だと理解し、くれたであろう金髪の彼女、基、月詠さんに心の中で礼を言う。
一方で鳳仙も遅れて、月詠さん達に気付いた。自身を囲むように立つ百華と月詠さんに、平静を装っているが驚いている様子。
鳳仙「…貴様ら、何のマネだ。このわしに、この夜王に謀反を起こそうというのか」
月詠「わっちらは知らぬ。そこの悪い男に引っかかっただけじゃ。吉原に太陽を打ち上げてやるなどという大ボラを寝物語で聞かされた。ホラ、あそこでのびている奴じゃ」
私達と対立していた百華だが今では味方の様子で、50人程いるだろうか。何とも心強い。
解毒薬のお陰で、段々と体の麻痺っぽさや倦怠感が無くなってきた。心なしか目元の熱も引いていて、余りの即効性にビビらずにはいられない。
月詠「全く、信じて来てみればこのザマ。太陽などどこに上がっている。ぬしに期待したわっちがバカだった。この大ボラ吹きめが!!」
言いたい放題言った月詠さんが倒れ込んだままの旦那に向かい、クナイを投げる。
が、真っ直ぐ向かっていったそれは旦那に刺さる事はなく、その前にピタッと止まった。
坂田「…ホラなんざ吹いちゃいねェよ。太陽なら上がってるじゃねーか。そこかしこに、たっくさん」
クナイを指で挟み止めた張本人の旦那は、やはり生きていた。私より重傷な様子だが、刀を杖代わりにしてゆっくりと立ち上がった。
鳳仙「きっ、貴様ァ…」
坂田「眩しくて眠れやしねェ」
.
273人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時