第二百六訓 ページ20
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確かに神楽ちゃんに蹴られ吹っ飛んでいったにも関わらず、擦り傷一つなく番傘片手に流暢に話す夜兎の姿には驚かされる。正しく化け物と呼ぶに相応しい。
神楽「……ここは私に任せるアル。先に行くヨロシ」
坂田「バカか、四人がかりでもヤベー相手だ」
「なら私もここに…」
新八「行ってください二人共。神楽ちゃんは僕が護ります」
覚悟を決めた顔で夜兎と相対する神楽ちゃんに私も一緒に残ると言おうとするも新八くんに言葉を遮られ、寧ろ行けと促される始末。だが新八くんのその発言に不満気な顔をする神楽ちゃん。
神楽「は!?何言ってるアルか!!お前なんか足手まといアル、さっさと行けよ!!」
新八「足手まといです、銀さん、Aさん。さっさと行ってください」
神楽「オメーだっつーの」
別に悪い意味ではなく、ここに来てから悲鳴を上げてばかりで敵との戦闘時も応戦的ではなかった新八くんが、ここまてハッキリと自分の意志を伝えてくれた事に感激する。
そんな私の傍らで未だにギャーギャーと終わらない争いを続ける二人に旦那は溜め息と共に言葉を溢した。
坂田「…ったく、オメーら…待ち合わせ場所は分かってんだろーな」
「「……次会う時は、陽の下で」」
坂田「上等だ」
その声を聞き二人を信じて前へと走り出す。私達が見た夜兎は全部で三人。神楽ちゃんと新八くんが一人を止めてくれているとして、もう二人いる筈なのだが、今のところ出会っていない。
このまま出会わないことを祈りつつ走っていると、旦那が「そういやお前…」と口を開いた。
坂田「アイツらにはここ来ること言ってきたんだろーな」
「勿論です。ちゃんと書き置きして来ましたよ」
坂田「…………なんて?」
「『しばらく出ます。探さないで下さい。』って」
坂田「おまっ、それ完全に誤解生むだろーが!死にに行く奴が書くのだろそれ!!」
旦那の言っていた"アイツら"とは真選組の皆のことを指すのだろう。
何も言わずに行くと後でたっぷり説教を食らう上、心配をかけるなとも以前に言われた。(二巻 第六十二訓参照)
ただ此処に万事屋と一緒に行くことを話せば面倒事になるのは必然的で、土方さんに行くなと大反対されるのは確定事項。
まァ今日は元々非番だったので仕事をサボっている事にはならない。非番の日に私が何をしようが私の勝手で、怒られる事はほぼないと思うが、念には念をだ。
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時