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第百十八訓 ページ24

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かなりの慌てように近藤さんも総悟の胸倉を離し、山崎に向き直った。が、その手は次に山崎の胸倉へと伸びた。理由は簡単、なんと土方さんが一人で蔵場当馬の逮捕に出向いてしまったからだ。



近藤「トシが一人で!?山崎ィ!!てめェなんでその件今まで黙っていた!!」

山崎「すいません!!副長にかたく口を止められていたんです!!親類縁者に攘夷浪士と関係のある者が隊内にしれれば沖田隊長が真選組での立場を失うと…」



あくまで総悟を思っての行動らしい。だがいくら土方さんでも一人では危険すぎる。無茶をしているのは誰の目から見ても明らかだった。



沖田「っ、あの野郎ォ!!」

近藤「おまえは動くな…側にいてやれ」



先程と同じように近藤さんが静かに、論すように総悟を止めた。納得のいかない様子の総悟に近藤さんが前を見据えたまま続ける。



近藤「それに今のお前では足手まといだ。剣に迷いのある奴は死ぬ」



総悟の心を読み、止める近藤さんは彼のことをよく分かっている。しかし、その言葉にイエスと答えず、代わりにギュッと近藤さんの腕を掴んだ。



沖田「近藤さん…アンタは俺を誤解してる。俺はアンタが思うほどキレイじゃねェ。人を信じるとかそーいう奴じゃねェんだ。てめーのことしか考えちゃいねェ。

いつもアンタ達と一緒にいても溝を感じてた。俺はアンタらとは違うって。だから姉上もAさんもアンタもアイツの所へ…」



瞬間、言葉を遮るように近藤さんが総悟に拳をふるった。あまりの強さに体が吹っ飛び、近くを通りかかった看護師さんが何事かと声を上げる。



沖田「イテテ…随分と俺には手厳しいな、近藤さんは」

近藤「そりゃお前がガキだからだ。トシやAがお前と同じこと言ったら俺ァそいつらも殴ったよ。俺達ゃそういう仲だろう」



自分の拳を見、その目を総悟に向けて、優しい声で。



近藤「てめーが勝手に掘った小せェ溝なんて俺達はしらねェよ。そんなもん、何度でも飛び越えてって何度でもてめーをブン殴りに行ってやる。

そんな連中長ェ人生でもそうそう会えるもんじゃねェんだよ。俺達ゃ幸せもんだぜ、そんな悪友を人生で三人も得たんだ」



拳をふるっておきながら、それに合わない声色で話すものだから聞き惚れてしまう。それは彼も例外ではなかったらしい。



近藤「総悟、もし俺が曲がっちまった時は今度はお前が俺を殴ってくれよな」



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設定タグ:銀魂 , 原作沿い , 逆ハー   
作品ジャンル:アニメ
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クローバー - タイトルの第が大になっていますよ (2022年10月23日 19時) (レス) @page25 id: f7867713b9 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ミクさん» 洒落にならない数々のミス申し訳ありません。一通り目を通し修正してきました。ココがまだおかしい、という箇所がありましたらお手数ですがまた教えて頂けると幸いです。すみません。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 時々、坂田「銀さんたぶらかして」みたいな感じになって最初の「の前の名前が違っていることがあります (2021年8月5日 13時) (レス) id: c0f1b840e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - MEIさん» ありがとうございます!テスト、なんとか終わりました!!テストお疲れ様です!2週間以上も前ですけど(笑) (2019年6月7日 7時) (レス) id: bb6b3491df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年5月12日 12時

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