第十訓 ページ11
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ピンポーン
…返事がない
ピンポーン
……返事がない
留守なのか、誰も出てこない。でも人の気配は確かにドア越しに感じる。もしかして居留守を使われてるのか?だとしたら悲しすぎる。
「すいませーん、誰かいませんかー?」
………やっぱり返事は返ってこない。
よし、次で最後にしよう。これで出なかったら居留守でも帰る。
「すいまっ、」
「しつけーんだよ!!居ねェっつってんだろーがくそババアァァ!!」
話を遮られたと思ったら、白髪頭が叫びながらドアを蹴破って来たのでひょいと横に避ける。
予想していなかった出来事に驚きを隠せないでいると、「…ババアじゃねェ」と一言。
「…まだピチピチの20代ですけど」
「アンタ、この間大串君と一緒にいた…」
無視かよ、と思ったがまァいいだろう。いちいち気にしていたらこの人とは話せない気がする。
「先日は大串君がどうも。肩治りました?」
「まァな、というか何でウチ知ってんだよ」
「ウチには優秀な部下がおりまして。彼にかかればチョチョイのチョイ、です」
「チョチョイのチョイで人の家特定されちゃァ、世話ねーよ」とブツブツ聞こえたが、ここは聞こえないフリ。いちいち返事をしていたら話が進まない気がする。
「で、何しにきたの?もしかしてアレ?ウチの上司をよくもー!的なヤツ?いいよ、そういうの間に合ってるから」
会話どころか一人で勝手に自己解決し、外れたドアを直して家に戻ろうしたので、服を掴んで待て待てと止める。自分中心で生きてるのか?この人。
「そういうのじゃないです。今時仇討ちなんて流行りませんよ」
「お詫びに来たんです」と、来る途中に買ってきたシュークリームを見せながら笑う。
「上二人が迷惑かけちゃったんで、せめてもの印に受け取って下さい」
お詫びに来るだなんて予想もしていなかったのだろう。白髪頭は「え?」なんて情けない声を出している。私だって始めはこんなことする予定ではなかった。
上二人のように喧嘩しようと思っていたが、気が変わったのだ。よく考えてみてほしい。私が仮に白髪頭の立場だったとして、三回目の喧嘩をしかけられたとする。
…しつこくね?
と、思わないだろうか。絶対思うだろう。なのでこういう形にして会うことにした。会わなくてもいいだろ、と言われればそれまでだが、どうしても一度話してみたかったのだ。
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柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません!書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか? (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです!わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります! (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月6日 23時