検索窓
今日:4 hit、昨日:23 hit、合計:66,005 hit

◇1 ページ1











数分置きに時計を気にしていたわたし


やっと12に長針が重なったのを確認すると急いで荷物をまとめ始める




後輩「先輩今日は定時上がりですか?珍しい。」


A「え?…う、うん。まあね」


後輩「ふーん。男か」


A「え?!」


後輩「わたしはてっきり山田さんとくっつくと思ってたのになぁ」






"今日たぶん20時過ぎには帰れると思う"


そんなメッセージが平野くんから届いたのはランチタイムを過ぎた頃で


無理矢理仕事を切り上げると、勘の鋭い後輩がそう言った


この前、そんなのいいからって念を押したにも関わらず


後輩が言葉通り開いてくれたわたしの誕生日会には山田くんや他の同期もいたりして


こういう場で何かとわたしとのことを茶化される山田くんは


"もうきっぱり振られてるんで俺"って、みんなの前で宣言をした


山田くんはいつものように笑っていたけど、その笑顔に少し胸が痛んだ



山田くんとは気まずくなることはなく今までと変わらず仕事をしてるけど


でもそれは優しい山田くんがわたしに気を遣わせないように振る舞ってくれてるからだということは…なんとなくわかっていた



それをありがとうなんて一言で片付けられるものではなく、簡単に言葉にはできなかったけど





後輩「まぁでも、よっぽどいい男なんでしょうねぇ。仕事一筋だった先輩をこんな風にしちゃうんだから(笑)」



A「なっ…なに言ってんの!そんなんじゃないから」



後輩「ふふっ、先輩かわいい〜笑 じゃ、彼によろしくです!」






揶揄う後輩を振り切ってオフィスを出た


気づけば身体を突き抜けるような冷たい風は


春らしい柔らかく温かなものに変わり


新しい季節の始まりを告げる








最寄駅に着くと、途中にあるスーパーに立ち寄った





A「…やっぱり、やめとこうかな……どうしよう」




にんじんを手にしながらこの後に及んでも少し不安になって手が止まる


…でも、忙しい平野くんのためにわたしが何かしてあげられることは何かって


悩んだ末に思いついたのは手料理を作ることくらいで



きっと…平野くんなら喜んでくれる



そんな淡い期待と、少しの不安を抱えながら



少し買い込みすぎてしまった買い物袋を手に



彼のマンションへ向かった













◇2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (266 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1797人がお気に入り
設定タグ:平野紫耀 , 永瀬廉 , 岸優太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

たむ - 素敵な作品をありがとうございます!更新楽しみにしています。 (2021年7月4日 5時) (レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
akp4(プロフ) - このお話大好きで今日また読み返しました!更新待ってますね (2020年12月20日 3時) (レス) id: af01429ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしてます(^^) (2020年10月12日 12時) (レス) id: ea80b9bbb5 (このIDを非表示/違反報告)
Airi Lucus(プロフ) - とてもすてきな作品ですね!読めて幸せです。続き楽しみにしてます! (2020年6月26日 22時) (レス) id: f4cd5f6b5f (このIDを非表示/違反報告)
りん - 続編の更新ありがとうございます!主人公と年齢が近いので気持ちに共感しながら読まさせてもらっています(^^)大好きな作品です!更新大変かとは思いますが応援しています! (2020年5月25日 0時) (レス) id: 3e5d36f14c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わわ | 作成日時:2020年5月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。